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雑誌「セブンティーン」、「バスの中ではつり革につかまるな」が物議…運転士から怒りの声

文=編集部
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「ST channel」に掲載された記事(現在は削除済)

 女子中高生の間で人気が高い雑誌「Seventeen(セブンティーン)」(集英社)の公式アプリ「ST channel」で、電車やバスに乗る際に、つり革につかまらずにバランスを取って体幹を鍛えようと推奨する記事が掲載され、物議を醸している。

 記事では、電車やバスで立つときは「つり革につかまらずにバランスをとる」のが“正解”だと主張。

「ラクだからついつかまりたく“つり革”は、元から存在しないものと心得て。揺れる電車やバスは、体幹トレーニングの大チャンスなんだよ。どこにもつかまらずに、体幹を意識しながらバランスをとってね」と、読者に語りかけている。

 この記事を読んだ“現役路線バス運転士”が、ツイッター上で猛批判。

「こんな記事取り下げてください。バス走行中に車内で転倒して怪我したら全て運転士の責任に警察はします。 運行はその場で中止。警察・救急車呼んで現場検証(車外人身事故と同じ扱い) 他のお客様は後続のバスへお乗り換え。運転士は免停60日」

「この事を分かってこの記事書いてるんでしょうね? バスのエアブレーキの威力を知らないからこんな事書けるんだよ。 ちなみに捕まってても吹っ飛びますよ。最低でも骨折。 最悪は頭を強く打って脳挫傷の可能性だってあります。 この記事を真に受けて怪我した読者に対して、当然責任取るんですよね?」

「バス運転士の間で、この記事話題になってますよ。いい迷惑だと。 電車は運転士に責任ありませんが、バスは速度が1km/hでも出てるとバス運転士の責任にされます。 訂正記事出してください。仕事の妨害しないでください」

 電車内でケガをする人が出ても運転士の責任が問われる可能性は低いが、バスの場合はかなり重い責任を取らされることになるという。この指摘のあと、ツイッターを中心に同記事への批判の声が殺到し、「ST channel」は記事を削除することになった。

 だが、前出の運転士は、「訂正記事を出していただかないと、この記事を信用して危険な乗車する方がいると思うので訂正して頂きたいですね」とツイートし、中高生に影響力が大きい媒体だからこそ、正しい情報を出してほしいと要求。

「Seventeen」の発行元である集英社に問い合わせたところ、以下のとおり回答があった。

「セブンティーン5月号(2020年4月1日発売)P124および公式アプリSTchannel(同6月23日公開)に掲載した「絶対に太ってはいけない痩身ハイスクール24時!」は、ダイエット効果が期待できる日常生活の中の工夫を紹介したものでしたが、「バス・電車内では…つり革につかまらずにバランスをとる」ことが体幹トレーニングになると推奨した項は、社内の転倒事故につながる恐れがある危険なものでした。利用者の安全と円滑な運行を心がけていらっしゃる公共交通機関のみなさまへの敬意と配慮、多くの読者にお読みいただいている雑誌としての常識を欠いておりました。本日中に、雑誌公式ウェブサイト、公式アプリ、公式ツイッターにて、お詫びを掲載する予定です。なお、アプリの当該記事は7月13日午前11時に削除しております」

 なお、バスの中では乗客にも、自ら安全確保に努める義務があり、つり革につかまらないでケガをした場合、一部過失が相殺される可能性がある。新型コロナウイルスが広まるなか、つり革につかまることを躊躇している方もいるようだが、電車やバスで立つ場合には、しっかりとつり革や手すりにつかまり、降りたら早めに手を洗うか消毒するのが正しい公共交通機関の利用方法といえるだろう。

(文=編集部)

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