NEW

携帯電話基地局、周辺住民の「がん死亡率」高く…5G、一部欧州で中止、人体へ影響懸念

文=黒薮哲哉/「メディア黒書」主宰者
【この記事のキーワード】

, ,

携帯電話基地局、周辺住民の「がん死亡率」高く…5G、一部欧州で中止、人体へ影響懸念の画像1
朝霞市城山公園のKDDI基地局設置予定地。現在、工事は中断している。

国策としての無線通信網整備の影で

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が続いていた5月27日、スーパーシティ法(改正国家戦略特区法)と呼ばれる法律が国会で成立した。5G(第5世代移動通信システム)の導入と連動して、日本の未来型都市の構築を進めるための法律である。国家戦略特区を設け、そこで人工知能(AI)や5Gなどを駆使した自動運転、医療、防犯などの「実験」を行うための法的な布石にほかならない。

 このプロジェクトの有識者懇談会の座長には、小泉政権の時代に急進的な規制緩和策を押し進めた竹中平蔵・東洋大学教授が就任している。あまり報道されていないが、未来型都市の構築はいわば政府肝いりの計画なのである。

  こうした状況下で、通信基地局の設置をめぐるトラブルが増えている。3月31日付日本経済新聞によると、千葉市は「楽天モバイルと共同で学校敷地内に基地局を設置」することで合意しているという。「導入するのはまず市内の5小学校」で、7月から基地局設置の工事に取り掛かる。埼玉県野田市では楽天が住居から2メートルの位置に基地局を設置しようとして、住民から抗議を受け計画中止に追い込まれた。

「電磁波からいのちを守る全国ネット」の運営委員をしている筆者のもとには、基地局設置に関する相談が頻繁に持ち込まれる。その背景には、電磁波による人体への影響について認識が広がってきたことに加えて、携帯電話各社が基地局の設置を急ピッチに進めている事情がある。たとえばKDDI「今後2023年度末までに国内最多となる53,626局」の設置を予定しているという。

 筆者自身も基地局設置をめぐるトラブルに巻き込まれている。埼玉県朝霞市の自宅から100メートルほどの場所でKDDIが基地局を設置するための工事に着手したのだ。しかも、設置場所は朝霞市の公有地である城山公園の敷地内である。基地局設置をめぐるトラブルは今後、多くの人が直面する問題である。

   6月8日の午後、筆者はたまたま工事現場を通りかかった。そして工事の標識を見て、KDDIの基地局設置工事であることを知った。同社の下請け工事会社に工事の中止を求めたところ、数時間して工事のペンディングを伝えてきた。そして翌日、現場から重機を搬出した。こうして筆者とKDDIは話し合いをすることになったのだ。

 一方、朝霞市のみどり公園課には、基地局設置を目的とした公園使用の許可取り消しを求めたが、KDDIに法的な不備はないので、応じられないとの返答を受けた。

電磁波による人体への影響

 携帯基地局や携帯電話端末から発せられる電磁波による人体への影響は、特に欧米で指摘されている。スイスでは5Gの計画が中止になった。日本と欧米の認識の違いは、規制値の著しい数値差に的確に現れている。たとえば携帯電話で使われるマイクロ波の規制値は、日本が1000μW/平方センチメートル(1.5GHz~300 GHz)であるのに対して、欧州評議会の勧告値は0.1μW/平方センチメートルである。

関連記事

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ