隠蔽されてきた携帯電話と脳腫瘍の関連性
3月2日、米サンフランシスコのCBSニュースは、携帯電話と脳腫瘍の関連性について詳述した秘密文書が、カリフォルニア裁判所の命によって公開された事実を報じた。2016年、カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生大学院の家庭・地域保健センター長ジョエル・モスコウィッツ博士が、カリフォルニア公記録法を盾にして、カリフォルニア州政府に対して訴訟を起こし、「携帯電話と健康」と題された文書が公開されたのである。
その文書の作成時期は2014年4月とされ、「草稿・非公開」と印が押されていた。だが、モスコウィッツ博士によると、元原稿は7年前に書かれ、その後、数度アップデートされながらも、決して公開されることのなかったものだという。
番組内で訴訟に踏み切った理由を問われたモスコウィッツ博士は、次のように答えている。
「私はこの文書が日の目を見ることを望みました。なぜなら、携帯電話からの電磁波にはリスクがあるという懸念がカリフォルニア州公衆衛生省内部にはあり、そのリスクを軽減させる方法について、それはいくらかの情報をもたらしうるからです」
その文書は、携帯電話の長期使用は脳腫瘍や他の健康問題のリスクを高める可能性があると指摘し、携帯電話の電磁波は近くの細胞と組織に影響を与えると認めていた。子供に対する警告部分では、電磁波は子供の脳に対しては大人の脳よりも深部に到達すると説明していた。さらに、携帯電話に対する電磁波ブロック商品が実際に機能する証拠はないとしていた。
このニュースを取材したNatural Newsのマイク・アダムス氏によると、カリフォルニア州政府が少なくとも7年間、この文書を市民の目から隠してきた背景には、携帯電話からの電磁波によって損害が引き起こされる証拠を長期に及んで隠そうとしてきた、産業界のロビイストたちによる圧力があったと思われると指摘している。
受信状況が悪いと、電磁波の影響強まる
その文書に記されていた情報をもう少し紹介すれば、「いくらかの研究調査が見いだしたこととして、ある種の脳腫瘍は、携帯電話を10年以上使用し続けた場合に生じやすく、その部位は携帯電話を普段使用する側の側頭部とほぼ一致する」という記載もあった。