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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

コンビニ店舗オーナーから「本部はヤクザ、詐欺」と悲鳴…約束反故にされ800万円借金

文=鷲尾香一/ジャーナリスト
コンビニ店舗オーナーから「本部はヤクザ、詐欺」と悲鳴…約束反故にされ800万円借金の画像1
「Getty Images」より

 ついに、公正取引委員会(公取委)によるメスがコンビニ業界に入ることになる。

 9月2日に公取委は「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査について」(以下、実態調査)を発表。その結果、コンビニ本部によるさまざまな独占禁止法(独禁法)違反の可能性を指摘し、「本部自ら現状を点検し、取引環境が改善に向かうことを強く期待する。もし違反行為に接した場合は厳正に対処したい」との強い姿勢を示した。

 実態調査はコンビニオーナーへのWebアンケートを中心に、大手コンビニエンスストア8本部に対する聞き取り調査などを実施した。大手8チェーンの全加盟店全国5万7524店に実施し1万2093店(21.0%)、オーナー数ベースでは3万1107人中8432人(27.1%)から回答を得た。

 調査結果からはコンビニ店の厳しい経営状態が赤裸々になっている。まずは、オーナーの人物像を取り上げると、平均年齢は53.2歳で50代が最も多く、50代以上が60%超となっている。オーナーとなった時の年齢は30代が33.3%、40代が33.2%。加盟年数の平均は14.2年となっている。

 また、他の収入源を持たない者が76.7%で、個人(世帯)資産額は500万円未満の割合が60.8%を占め、債務超過状態にあるオーナーが17.3%もいる。ここから見えてくるのは、「片手間ではなく、コンビニ店経営を仕事に定め、それでも経営難(債務超過)に陥っているオーナー」の姿だ。

 報告では、本部との間のさまざまな問題について、オーナー自らの言葉で赤裸々に語られている。なかには本部による“詐欺まがい”“脅迫まがい”の行為にまで言及したものが多々ある。こうした行為は、コンビニ店オーナーになる契約段階からすでに始まっている。その一つとして、契約を急かされた例として、以下のようなものがあげられている。

・場所も分からないのに「明日までに返事を下さい」と言われた

・本部の決算期近くで、明らかに急いでいた

・繁忙期までに開店したいという意向で急かされた

・本部の出店ノルマがあるため、締日の月末までに決めなくてはならなかった

・開店後分かったのだが、店舗は作ったもののオーナーのなり手がなく、開店が延期されていた物件だった

・取りあえずサインして印鑑を押してください、細かいことは後で、と言われた

 さらに、加盟店の開店準備金などの説明では、以下のような驚くべき実態が述べられている。

・150万円あればできるという説明だったが、実際は800万円ぐらい借金した

・防犯カメラ100万円、釣銭40万円、その他備品、保険、保守契約等合計200万円以上は別途掛かった

・募集要項で提示している金額よりも実際に用意する金額がかなり多い。募集説明会などでの説明はなく、後戻りできない状況で追加分を請求される

鷲尾香一/ジャーナリスト

鷲尾香一/ジャーナリスト

本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。

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