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垣田達哉「もうダマされない」

Go To イート、東京「食事券」は空前絶後の競争倍率…超入手困難を脱する裏ワザ

文=垣田達哉/消費者問題研究所代表
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農林水産省所管の飲食業界の支援事業「Go To イート」解説ページ

Go To イート」のプレミアム付き食事券(以下、食事券)を販売する東京事務局が、いつまでたっても購入方法についてHPに公表しないので、筆者は事務局に電話をした。すると、非常に丁寧に説明してくれたので、そこでわかったことを紹介する。他の道府県とは異なる東京独自の購入方法となっているが、食事券を手に入れるのは相当困難だといわざるを得ない。

 食事券は、紙の食事券が300万セット(金額ベースで75%)とデジタル食事券を125万セット(同25%)販売する。紙の食事券は、額面1万2500円(販売価格1万円、1000円券×10枚+500円券×5枚)で、申込方法は2種類ある。デジタル食事券は、額面1万円(同8000円、1000円券×10枚)で申込方法は1種類である。

 東京都の人口は約1400万人、首都圏の人口は約3700万人だが、全国どこからでも申し込むことができるので、購入対象者は約1億4000万人になる。首都圏の消費者はもちろん、Go To トラベルで東京を訪れる人たちも、東京の食事券を手に入れようとするだろう。超高倍率であり日本一の激戦区の上、購入(申込)方法が3パターンになったことで、さらに倍率が高くなり入手困難な状況となっている。3つの申込パターンがあるということは、物理的には「同一人物が3パターンで申込(購入)が可能」ということになる。

 では、まさに超レアな食事券をどうすれば購入できるかを考えてみよう。その前に、3パターンの詳細と特徴、注意点を説明する(11月5日現在)。

紙の食事券の場合

 紙の食事券を購入するには、引換券を入手しなければならない。引換券を入手するには、Web申込と専用葉書による申込のいずれかである。

<注意点>

・電話窓口の担当者は「同一人物が、両方の方法(Webと葉書)で申し込むことはできない」というが、「同一人物であることをどのように判別するのか、複数回の申込をどのように防止するのかはわからない」ということだった。できるだけ多くの人に行き渡るようにしたいという趣旨のようである。

・「紙の食事券とデジタル食事券を同一人物が購入することは控えてほしい」ということだったが、それをどういう方法で防止するのかは不明。

・紙もデジタルも、1回2セット申し込むことができる予定だが、できるだけ多くの消費者に購入してほしいという趣旨であれば、1回1セットに限定される可能性もある。

(1)Web申込

 Web申込(サイトは今のところ非公表)は、食事券の販売日(11月20日)の前日である11月19日の午前9時から開始される。Web申込の場合、引換券はデジタル引換券(QRコードかどうかは不明)になる。販売窓口まで引換券を持参しなければならないので、スマホか持ち運ぶことができる情報端末(携帯端末)に限られる。パソコンは不可。

<注意点>

・パソコンからは申込ができないので、職場や家で、スマホとパソコンから同時に申し込むという方法はできない。

・11月19日は平日なので、申込開始時間(午前9時)が仕事中の人は無理。

(2)専用葉書

 専用葉書は11月19日までには配布場所に届けられるが、専用葉書を配布する場所も19日の何時から消費者に配布されるかも未定。HP上に販売場所が一部掲載されているが、具体的な場所は11月中旬に正式に公表される予定。

<注意点>

・どの配布場所で、専用葉書が何万枚配布されるかは、現時点では公表されていないので、どこに並べば入手する確率が高いかは今のところわからない。配布枚数がどれだけ多くても行列ができることは確実だが、限定配布なので、いつから並べば専用葉書を手に入れることができるかは不明。

【その他】

 Web申込も専用葉書申込も、引換券は先着順に届けられる。デジタル引換券は、アクセスできれば申込後すぐに端末にダウンロードされるが、専用葉書の場合、先着順は何を基準にするのかは不明。専用葉書の場合、申込者全員が購入する権利を得るのかどうかがポイント。事務局に届いた順で打ち切られるとなると、配布場所ですぐ記入し投函したほうが良い。

 どちらも複数回の申込が設定される予定だが、毎日なのか1週間に1回なのかは未定。1回当たりの引換券が何十万セットになるかも未定。販売状況によって判断されるという。紙の食事券は、合計300万セットしか販売されない。Webと専用葉書の配分も販売状況によって判断されるようだ。

 専用葉書の場合、専用葉書設置(配布)場所と同じところに引換券を持参すれば、食事券を購入できる予定。それ以外に、一部ではあるが「カクヤス」のネットでの宅配便による販売もある。

デジタル食事券の場合

 購入方法は、ヤフーが運営する電子チケット販売のプラットフォーム「PassMarket」の専用ページから申し込む。専用ページの開設は11月中旬だが、申込開始日は11月20日になる。ただし、今のところ開始時間は未定。

<注意点>

・専用ページからの購入申込になるが、その際「Yahoo! JAPAN ID」が必要になる。当日になってから取得しているのでは、申込に時間がかかる。1分1秒の争いになる可能性が高いので、事前に取得しておいたほうがいいだろう。

・通常のチケット販売と手順が異なる可能性があるので、11月中旬に開設される専用ページは事前に確認したほうがよい。

 デジタル食事券といっても、千葉県などで利用されている電子食事券とは大きな違いがある。それは、会計時に「1円単位では精算されない」ということだ。スマホには1回で1万円分の食事券がダウンロードされるが、あくまで1000円×10枚という扱いになる。会計時の精算は1000円単位になるので、980円の飲食をしても1万円から980円が差し引かれるわけではない。1000円で精算しても20円のつり銭(残高)は確保されない。

 紙の食事券と同じように、会計では現金と併用することになる。紙の場合は、食事券と現金を渡せば済むが、デジタルの場合は、店員とスマホの食事券を何枚使うかを双方が確認し、さらに現金を手渡すことになるので、消費者も飲食店側もかなり面倒な会計になる。会計時には、間違って余分に精算されないように注意が必要だ。

攻略法

 3パターンすべてで、家族も含め複数の人で申し込むことが、購入できる確率を高くすることになる。幸いにも、紙の食事券の申込が、Webも専用葉書も11月19日で、デジタル食事券の申込が翌日(11月20日)なので、紙が入手できなかった人は、デジタルで再チャレンジすることができる。

 紙の食事券のWeb申込の場合、家族のスマホと携帯端末を総動員して午前9時にアクセスできる態勢を整える。大阪や京都、愛知などでは、最短約40分で完売している。東京は、もっと短いだろう。開始30分くらいまでは何度もチャレンジしたほうが良い。

 専用葉書の配布場所が11月中旬に公表されるが、先着順になるということは、開始時間が何時であっても、行列の何番目か(整理券をもらえたかどうか)で、Web開始の9時前には購入できるかどうか判断できるだろう。専用葉書が手に入るかどうかわからないのに、何時間も待たせることはしないだろう。専用葉書が入手できなかった人は、Web申込に全力を注ごう。

 今のところ、申込方法は3パターンあるが、購入できるかどうかは時間差で判別できるだろう。購入ができなかった人は、行列、Web、デジタルの順でチャレンジすればよい。

 しかし、それにしても販売数量が少なすぎる。全国民約1億4000万人、首都圏だけとしても約3700万人に対して、紙とデジタル合わせて425万セットしか販売されない。1回に購入できるのは2セットまでなので、実質212万5000セットしかない。

 首都圏だけに限っても約5.7%の人しか購入できないのだ。Go To トラベルは延長するようだが、Go To イートは給付金が増額されるのだろうか。イートのほうが、トラベルよりはるかに身近であり、期待している中小飲食店の数も多い。そもそも、トラベルの予算は1兆3000億円以上あるのに、期間を延長しさらに増額される可能性がある。一方、イートはオンライン飲食予約と食事券を合わせても1534億円の予算(給付金)しかない。どうしてなのだろう。

 いずれにしても、東京の食事券は空前絶後の競争率となるだろう。購入できた人は、よほど運がいい人に違いない。

(文=垣田達哉/消費者問題研究所代表)

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

1953年岐阜市生まれ。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品問題のプロフェッショナル。放射能汚染、中国食品、O157、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍する。『ビートたけしのTVタックル』『世界一受けたい授業』『クローズアップ現代』など、テレビでもおなじみの食の安全の探求者。新刊『面白いほどよくわかる「食品表示」』(商業界)、『選ぶならこっち!』(WAVE出版)、『買ってはいけない4~7』(金曜日)など著書多数。

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