
コロナ禍で定着しつつあるリモートワークやオンライン会議。ところが、モニターに映し出された自分の姿を見て、「イマイチだな」と感じる人は少なくないようです。
例えば男性の場合、顔の輪郭が膨張して見えたり、頬のたるみが強調されたり、顔の血色の悪さや頭髪の生え際が透けたり、眉が薄く見えたり……。普段に比べて“冴えない顔映り”は頼りない印象を与え、ビジネスシーンではマイナスになります。そのため、男性もオンラインでの好感度を意識する人が増えているのです。
男性専門のメイクサロン「粋華男製作所(いけめんせいさくしょ)」によれば、「メイクする男性の約6割が年収800万円以上」との報告もあり、身だしなみとして顏をさりげなくアップデートするのが、ビジネススキルのツールのひとつになりつつあることがうかがえます。
“他人にバレない”メンズメイクで清潔感と信頼を手に入れる
「男がメイク?」と訝しげに思う人が多い日本ですが、ビジネスパーソンのメイクは、あくまでも身だしなみのひとつ。タレントのりゅうちぇるやMatt、韓国アイドルのBTSみたいな中性的メイクアップとは一線を画すものです。スッピン顔を向上させる、スーパーナチュラル感を着地点と考えましょう。
“メイクバレ”せず、周囲に「なんだか、前より爽やか」「この人、清潔感あるな」「キリッと力強くて頼りがいを感じる」といった印象を与えることが目的です。メンズメイクにためらいがある人は、自らの信頼度アップのエチケットメイクとして捉えてみてください。
ビジネスシーンでも注目されているメンズメイクは、全世界で600億ドル(6兆円超)の市場規模に成長しています。特に近年は、ビッグメゾン(巨大ブランド)がメンズコスメの分野に進出したこともブームを後押ししています。例えば、2018年には「シャネル」が94年間のブランド史で初登場、2019年は「トムフォード」がメンズコスメラインを発表し、大きな話題となりました。
日本でも、この10年でメンズコスメの売り上げは約2倍、2018年に約1175億円となるなど(富士経済のデータ)、着実に男性の美容業界は盛り上がりをみせています。
基本となるのは肌と眉、少し整えるだけで誰でも男前に

しかし、メンズコスメに興味があっても、実際に何から手をつければよいのかわからない人も多いことでしょう。そこで、メンズコスメのファーストステップとしてお勧めなのは、次の3つです。
1.肌質を整える「フェイスカバー」
2.肌の色ムラやシミを隠す「コンシーラー」
3.眉を整える「アイブロウペンシル」
まず、下地を整える「フェイスカバー」は、ファンデーションとは少し違い、化粧下地でもあり、「BBクリーム」のようなもの。BBクリームとは、「Blemish(傷)Balm(軟膏)」や「Beauty Balm」を意味するといわれ、毛穴、シミ、そばかすなどのカバーに優れています。ほんのり色のついた乳液のようなテクスチャーで、肌になじませると毛穴や目まわりのくすみ、日焼けによる肌の色ムラやヒゲ剃り後の色素沈着を整え、自然でキメの整った均一な肌色に近づけます。水分も多くて塗った感じはほとんどなく、肌の粗さを払拭します。