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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」

武田総務相、支離滅裂の“醜態”会見…「料金下げてから来い」と携帯会社や記者を恫喝

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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武田総務相、支離滅裂の“醜態”会見…「料金下げてから来い」と携帯会社や記者を恫喝の画像1
武田良太総務相(YouTube「総務省動画チャンネル」より)

「まるでジャイアンが理詰めで言い負かされて逆ギレしてるようにしか思えない。本人も何を言ってるか、自分でもよくわかってないんじゃないか?」

 ある総務省担当の全国メディア記者は、11月27日の武田良太総務相の記者会見についてこう感想を漏らした。25日配信の筆者記事『同じ質問に真逆の回答…武田総務相が携帯会社へ値下げ“恫喝”、ドコモも値下げ不可避』で報じた通り、武田氏は10月末段階では携帯電話料金値下げについてソフトバンクとKDDIがサブブランドをつくったことに満足していたにもかかわらず、約1カ月後の11月20日の会見では突如メインブランドで新料金プランを提示するように怒りを露にした。この武⽥⽒の豹変ぶりにKDDIの⾼橋誠社長が26日配信の日本経済新聞のインタビュー記事でメインブランドの値下げについて「すぐには動かない」と即座に対応することを否定した。

 27日の会見は、高橋氏の発言について激怒した武田氏が記者クラブ側に質問してもらうよう頼み、説明用のフリップと資料までわざわざ用意する念の入りようだったという。

破綻している戦略をゴリ押し

 まず、理解を助けるため、会見の前提について説明をさせていただこうと思う。

 携帯電話市場は現状、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDI(au)の3つのメインブランドが契約者の大部分を占めており、格安スマホなど低価格プランの契約は一部に限られている。菅政権は携帯料金の値下げを進めるにあたり、メインブランドから低価格プランへの乗り換えを促すことを大方針としてきた。そのなかで出てきたのがソフトバンク、KDDIのサブブランドだ。高いブランドから安いブランドへ誘導するのが狙いで、少なくも10月末はこの方針が共有されていたと思われる。

 ところが、ここにきて武田氏はメインブランドを直接下げろと迫ってきた。残念ながら「競争政策によりサブブランドへの乗り換えを促す」ことと、「メインブランドを直接値下げする」ことは両立しない。なぜなら契約者の多数を占めるメインブランドユーザーからすれば、放っておけば値下げされるのにわざわざ面倒な手続きをしてまで乗り換える必要性がないからだ。

 これを踏まえた上で、実際に会見の映像を見てみよう。冒頭の発表が終わると、予定通り記者が高橋氏の発言への受け止めと携帯大手への要望について質問した。以下は主なやりとり。(詳細はこちら)。

Q:携帯電話の値下げに関してです。大臣が先週金曜日に発言されたことに対しまして、KDDIの社長が複数の新聞で、すぐには値下げには応じられないという趣旨の発言をされています。こうした発言への受け止めと、先週金曜日の発言を含めて、携帯大手にどんなことを要望されているのか、可能な範囲でもう少し具体的に教えていただければと思います。

A:個別企業のコメントに関して、私の方からコメントは差し控えたいところでありますけれども、指摘された記事、私も読ませていただきました。非常にがっかりしました。サブブランドにおいて、低廉なプランを用意した。この選択肢の広がりに対して、私は一定の評価をいたしました。

 しかし、一向に、ここに皆さんが移ろうとしない。それはなぜなのかを多くの方々から意見を聞いたり調べたりしましたら、そこの間に大きな壁があったんです。それは何かといえば、我々が再三指摘した「囲い込み策」、「ハードル」が存在したわけであります。要するに、同じ事業者でありながら、例えば、メインからサブに移る時には、多くの手続がいるんです。そして、その間には手数料として1万5,500円かかっているんです。高いプランから低廉のプランに移る時には、複雑な手続と1万5,500円という手数料を取るんです。これでは低廉化に向けた動きに対して、利用者は乗ってこないと思うんです。

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