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Chromebook、なぜmacOSをシェア逆転?圧倒的安さ&処理の軽さの秘密

文=A4studio
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Google Chromebooksのサイトより

 最近ではテレビCMでその名を聞いた方も多いであろう「Chromebook(クロームブック)」。グーグルが開発した独自のOS「Chrome OS」を搭載したパソコンのことで、2011年6月15日の発売から10年を迎える。

 実はChrome OSのOS市場におけるシェアは、アップルの「macOS」を超えている(2020年10~12月)。アメリカの市場分析会社であるStrategy Analyticsの調査によれば、同期間のChrome OSのシェアは16.4%となっており、macOSの9.1%を上回って第2位となった。

 ChromebookはなぜMacのシェアを上回ることができたのだろうか。ITジャーナリストの石川温氏に、その理由と背景について聞いた。

コロナ禍による教育の現場の変化

 まず、Chrome OSの特徴は何か。処理が軽くデータをデバイスに管理しないため、マシンパワーが低い安価なデバイスであっても快適に使えることが最大の利点なのだという。

「例えば、Windows OSで文書作成をするときはMicrosoft Office Wordをインストールして使用していたところを、Chrome OSの場合はブラウザ上で使用可能なGoogle ドキュメントを使うといったように、すべてブラウザベースです。

 文書作成やメール、カレンダーなど業務に必要なサービスはブラウザ上のGoogleのサービスを利用し、別のソフトウェアを起動したりしないので、ほかのOSと比較すると処理が軽くなっているんです。

 ブラウザ上で作成した文書などはクラウドに保存されるため、本体の容量を気にすることなく保存できますし、デバイスを破損したときや紛失したときのデータ消失や流出のリスクも低減されています」(石川氏)

 そして、Chromebookがシェアを伸ばした要因としては、文部科学省が提唱している「GIGAスクール構想」による追い風が大きいと石川氏は続ける。

「GIGAスクール構想は、高速かつ大容量な通信ネットワークと一人一台の端末整備を同時に進行し、児童・生徒個々人に最適化した教育を行う環境をつくることを目標としています。当初は2018年度~2022年度の5カ年計画だったのですが、新型コロナウイルス感染症の流行によってリモート学習の重要性が増したため、2020年度内の実現へと前倒しされました。

 Chromebookは2~3万円ほどのものから10万円程度のものまで幅広く展開されていますが、文書作成などはブラウザ上で完結するので、安価でそこまでスペックが高くない商品でも学校の授業には充分に対応可能です。

 そのため、全生徒へのパソコンの準備を急いで進めている学校や、コロナ禍で新たにパソコンが必要になったご家庭で、Chromebookが購入されるケースが多いようですね。シンプルで使いやすいUIや、ネットワークを利用することで生徒が使用するパソコンを管理できることも、教育の現場で支持されている要因でしょう」(石川氏)

WindowsやMacと正面から戦わない?

 コロナ禍で急速にリモート授業・リモートワークが普及し、インターネットの存在が身近になったわけだが、今後も低価格路線を行くChromebookのシェアは伸びていくのだろうか。

「Chromebookでパソコンデビューした子どもが、社会人になっていくなかでずっとChromebookを使い続ける可能性が考えられるので、5年10年と経ていくごとにますます普及していくでしょう。

 ただ、現状のChromebookは画像や動画の編集といった重たい処理が不得手で、逆にMacBookはそういった分野が得意でデザイナーやクリエイターに愛用されているというように、OSによって用途の棲み分けがされています。

 依然としてWindowsが圧倒的なシェアを獲得していますし、Chromebookが急にWindowsやMacと大きく差がつくということは考えづらいですね」(石川氏)

 また、グーグルもWindowsやMac以上の台数を販売することは目指していないという。

「そもそもグーグルは、世界中のあらゆる人々がインターネットを通じて情報に触れられるようにすることをミッションとして掲げていて、そのためにブラウザ上やクラウドで処理をするようなサービスを提供しています。もともとハードを製造していて、デバイスにさまざまな処理をさせようとするアップルとは、ある意味対照的だといえますね。

 ですから、ビジネスモデルとしてもChromebookをより多く販売することより、それを通じてグーグルのサービスを利用してもらうことが重視されているわけです。Chromebookはビジネス用のグループウェア『Google Workspace』などと親和性が高いので、グーグルのサービスの発展に伴ってChromebookの存在感は増していくでしょう。

 また、最近ではAndroidのアプリが動かせるようになるなど、Chromebookの利便性も向上しています。今後のグーグルが持つAIなどの技術の発展によって、ブラウザ上でも動画の編集などの重たい処理が可能になってくると、ますます使いやすく進化していくのではないでしょうか」(石川氏)

 現在は教育やビジネスシーンにおいて役立つデバイスといえるChromebookだが、グーグルが年々勢いを増していることを思うと、今とは違った用途で活躍する機会が訪れるのも近いだろう。今後どのようなデバイス・OSへと進化していくのか、どれほどシェアを伸ばしていけるのか要注目だ。

(文=A4studio)

A4studio

A4studio

エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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