上場企業役員の出身大学別人数に異変?慶應・早稲田が減少、筑波・上智は増加の画像1
慶應義塾大学旧図書館(「Wikipedia」より)

 今年もまた、真新しいスーツに身を包んだ若者たちが、ビジネス街を行き交う季節がやって来た。社会人として出発した彼ら彼女らの多くが望むのは、仕事を覚え、実績を積んで、立場や役職のポジションを上げて行く、すなわち、順調に昇進していくことだろう。組織のピラミッドの最上層に就くことを、目指す者も多いのではないか。

 泥臭さを好まない今どきの新入社員は、昭和世代のような強烈な上昇志向は持たないともいわれているが、果たしてどうであろうか。組織に所属するからには使われる側より率いる側に、さらに権限の大きいポストに就こう、と心密かに思うのは人情であろう。

「最終的には取締役の名刺を持ちたい」

「経営幹部が集まる会議に一員として出てみたい。あれって恰好いいですよね」

 いずれも現在は社会人になった有名大学の学生たちから聞いた本音である。いみじくも数年前にサラリーマン生活を終えた大手企業OBはこういう。

「勤め人として一番嬉しかったのは取締役になった時。山頂に到達したような高揚感があった。関連会社の社長も務めたが、喜びは比べようもなかった」

 だが、憧れのポストは、より遠いものになっているようだ。

 上場企業役員の代表的なデータベースである「役員四季報2021年版」(東洋経済新報社)に掲載されている役員数は4万663人だが、10年前の2011年版では4万1642人であり、1000人近く減少している。収録されている社数自体はこの間に、3672社から3780社に増えているのだから、少数精鋭が一層進み、経営幹部の道が狭まっていることは明らかだろう。

 それに伴って出身大学別のランキングでも役員数を減らすところは目立っている。近年、役員の出身大学を開示しない上場企業が増えているので、一概にはいえないものの、100人以上の減少になった慶應義塾大学をはじめ、役員数20位までに入った大学は、すべて前年より数を減らしている。

 ただ株式市場における逆行高のように、気を吐いている大学もある。特筆されるのは、前年比で役員数を10人以上増やした上智大と筑波大だろう。かたや早慶と並び称される私大御三家、かたや首都圏の有名国立大学として広く認知されている両校だが、上場企業の役員数ではライバル校と比較して目立たない印象はあった。難易度やブランド力を考えれば、台頭して来たのはむしろ自然といえるのかもしれない。

 ほかの役員数を増やしている大学もまた、地域ではよく知られた有力校だ。それぞれ歴史ある大学で独自のカラーを備えているために、一言で括るのは難しいが、総じて衒気やあざとさのないイメージはあり、それが昇進の面でも有利に働いているのかもしれない。

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