
「なぜ、何回も言っているのに伝わらないの?」
「そんなこと当たり前でしょ!」
「どうしてわからないの?」
日々このようなことを感じていませんか?
■シマウマクイズで「脳のバイアス」のチェックしてみよう
突然ですが、クイズです。シマウマのしま模様は
1.白地に黒いしま
2.黒地に白いしま
あなたはどちらだと思いますか?
実はこのシマウマクイズ、自分の肌の色をどう認識するかで、見え方が変わります。研究結果によると、自分の肌色が白に近いと思う人は「白地に黒いしま」と答える傾向にあり、自分の肌色が黒に近いと思う人は「黒地に白いしま」と答える傾向にあるそうです。
このシマウマクイズは、私たちの「脳のバイアス」を示してくれます。
■利き手も「脳のバイアス」をつくり出す
あなたは、右の絵と左の絵、どちらが笑っているように見えますか?
このクイズも、あなたの「脳のバイアス」を示すクイズです。
実は、この2つの絵は、左右反転しただけの同じ絵なのですが、右利きの人は右の絵のほうが、左利きの人は左の絵のほうが笑っているように見える傾向があります。
人間には、右視野よりも左視野を重視しがちな認知傾向があり、この認知傾向を「シュードネグレクト効果」といいます。これは「脳のバイアス」のひとつなのですが、右利きの人は、特にその傾向が強く表れると言われています。左利きの場合は、右側重視になる人も多いようです。
このように、右利き、左利きという利き手の違いにより、「脳のバイアス」がかかり、見え方が変わります。2人で同じものを見ていても、左側にある情報を重視するか、右側にある情報を重視するかが異なると、見ている世界、見ているものの印象ががらりと変わるのです。
ちなみに、この「脳のバイアス」は、夫婦げんかの一因となっていることが少なくなりません。見ているものは同じなのに、この2つの絵のように、妻は「笑っている」と感じ、夫は「悲しんでいる」と感じているというギャップが往々にして生じていることは、意外に少なくありません。同じものを見ていても、そもそも見えているものが違い、印象が全く違う。これが積み重なれば、ふたりのすれ違いが生じてしまうのは言うまでもないでしょう。