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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~CAが危ない!ANAの正体(22)

「ANAグループ社員だと分からないように」危険な検疫補助業務を子会社に押し付け、現場CAから怒りの声

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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成田空港(「Getty Images」より)

エアージャパン(AJ)のCA(客室乗務員)はANAグループのなかで不当な差別を受けているとしか思えません」――。

 こう憤るのは、ANAホールディングス(HD)の完全子会社、AJのCAだ。AJのCAをめぐっては、本連載でANAHDが政府から受注した成田空港国際線での検疫補助業務を押しつけられ、感染対策が不十分なまま、感染リスクが高いなかで業務に従事させられているばかりか、PCR検査も受けられずに国際線にそのまま乗務している実態を明らかにしてきた。今回は東京五輪の開催を直前に控え、現場では差別的な労働環境がまかり通っている現状について報じる。

ANAから出向の管理職、検疫補助業務のCAに「ANAグループ社員と分からないように」と指示

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内部資料

「原則、ANAグループ社員であることを分からないようにすること。従ってANAロゴ入り制服・物品の使用は不可」

 筆者が入手した内部資料によると、現在も実施されている検疫補助業務に従事するAJのCAに対して、ANAグループの中核企業、全日本空輸(ANA)から出向してきたAJ幹部がこのような業務命令を出している。これ以外にも「ネックストラップ(社員証)は既存の『AJX』(筆者注・AJの意味)と記載されているストラップと付け替える」とも資料にある。

 ANAのCAが地方自治体や他業界へ出向していることが世間に目立つ形で伝えられるなか、AJのCAの検疫補助業務については目立たないように隠す意図を持っているとも考えられる内容だ。本連載第11回では、急遽ANAHDが政府から検疫補助業務を受託し、AJのCAにほとんど選択の余地がないまま、現在に至るまで同業務を担当させている現状について報じた。ずさんな感染対策についても連載第19回で報じたが、現在でもその実態は変わっていないという。

AJ幹部「防護ガウンを配布できない」と感染対策の不徹底を認め謝罪メール

 AJでは、フェイスシールドや感染防止ガウン(エプロンのようなもの)も、筆者の記事が出た以降にやっと会社側から貸与されるようになったが、それについて最近、CAを統括する客室部から現場のCA宛に以下のようなメールが送られてきたという。

「客室部の皆さん

今回は、皆さんにお詫びと今後の対応についてのお知らせです。

先週、土曜日に検疫補助業務の方に貸与している防護ガウンの在庫が一時的になくなり、一部の方に配布できない状態が発生しました。

これまで、担当する業務ごとに着用基準を定めて在庫数を管理しておりましたが、実際の運用としては、希望する方には配布するようにしていたため、結果的に発注が間に合わず、ご心配とご迷惑をおかけすることとなりました。

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