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ワタミ渡邉氏、12年ぶり社長復帰…33歳・長男が取締役に異例のスピード出世、世襲へ布石か

文=編集部
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和民の店舗(「Wikipedia」より)

 ワタミ渡邉美樹会長兼グループ最高経営責任者(CEO)が12年ぶりに社長に復帰する。10月1日付で会長兼社長に就任し、清水邦晃社長兼最高執行責任者(COO)は代表権を持つ副社長になる。渡邉氏が社長を務めるのは2009年以来。コロナ禍で居酒屋を中心に苦戦が続くなか、権限を集中し、意思決定のスピードを上げる。

 渡邉氏は1984年、ワタミを創業し、2009年、会長になった。13年に全役職を退き、参院議員を1期6年務めた。「ワタミには100%戻らない」とまで公言していたが、会長に19年に復帰していた。経営の最前線への復帰はオーナー経営者としての危機感の表われである。

 渡邉氏は「夕刊フジ」に「経営者目線」というコラムを連載している。8月28日付「ワタミ『ワクチン接種済バッジ』で接客 12年ぶり『社長復帰』の理由」では、経営は緊急事態だとし、構造改革の狙いを明らかにした。

<「焼肉の和民」や「ワタミの宅食」など8つの営業系の事業本部長を、実質のCOO(最高執行責任者)と位置づけ、意思決定権を大幅に拡大させスピード経営を実現することが狙いだ。アフターコロナのV字回復において、8つの事業部の8つの夢を追う、強い体質を意識した。もう一つの狙いはワタミが最重要と位置付ける「人材」への寄り添いだ。居酒屋を中心に店舗休業が続き、多くの社員が不安を抱えている。かなり深刻だ>

4~6月期は2年連続の赤字

 21年4~6月期決算は売上高が前年同期比9.9増の139億8200万円、営業損益は20億5000万円の赤字(20年4~6月期は37億2200万円の赤字)、最終損益は17億5300万円の赤字(同45億5000万円の赤字)だった。「和民」を中心に居酒屋チェーンを国内外で展開するほか、高齢者向けに弁当などを宅配している。宅配事業は堅調だが、国内外の外食事業は苦闘が続いている。

 時短協力金や雇用調整助成金などコロナ関連で8億円の営業外収益を計上した。6月末時点の自己資本比率は26.8%と3月末の7.1%から改善した。日本政策投資銀行(DBJ)に優先株の第三者割当増資を行い、120億円を調達した。22年3月期通期の業績予想は「新型コロナウイルスによる影響を合理的に算定することが困難」として引き続き未定とした。

「焼肉の和民」と「から揚げの天才」が脱居酒屋の二本柱

 渡邉氏はコロナ禍にどう立ち向かおうとしているのか。夜の営業が中心の居酒屋はハンバーガーチェーンなど他の外食と比べて客の戻りが鈍い。渡邉氏はポストコロナ時代の居酒屋は7割程度まで縮小すると予測している。そこで家族や女性が利用しやすい業態の開発を進める。

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