NEW

社員わずか24人…銚子電鉄、大手広告代理店も舌を巻く新事業創出&話題創出力

文・構成=編集部
社員わずか24人…銚子電鉄、大手広告代理店も舌を巻く新事業創出&話題創出力の画像1
銚子電気鉄道公式サイトより

 大都市一極集中に伴う人口減少などの弊害で、経営難にある地方企業が新たな収益源を確保するための新事業の創出は喫緊の課題となっている。経済産業省や中小企業庁などが躍起になってさまざまな施策を展開する中、大胆な新事業創出やゲームコンテンツなどとのコラボレーションによってインターネット上で注目を集めて続けているのが銚子電気鉄道銚子電鉄、千葉県銚子市)だ。鉄道事業の赤字を“ぬれ煎餅の製造・販売で賄う”といった、廃線寸前の経営状態を逆手に取った“自虐ネタ”ともいえるPRを展開し、大手広告代理店の関係者も舌を巻く波及力を見せている。

電気事業への参入、人気ゲームとのコラボにネット沸く

 同社は27日、公式サイト上でプレスリリース『電気買ってください!電気代稼がなくちゃいけないんです! 銚子電鉄が電力事業に参入 「銚子電鉄でんき」10/1(金)より申込受付開始!』を公開した。地元自治体の銚子市などが出資する電力小売業「銚子電力」から営業の一部を請け負うというもの。同プレスリリースによると「月の電気代が約6,000円(年間電気代約70,000円)の方が加入されると、銚子電鉄 銚子~外川1往復分を走らせることができる電気代収入を銚子電鉄は確保することができます」(原文ママ)とのことだ。

 読売新聞は30日、記事『銚子電鉄電力事業参入 あすから 銚子電力の営業一部担当 コロナ苦境経営改善期待』を公開し、新事業創出の背景を次のように解説している。

「銚子電鉄の2021年3月決算は、5期連続の赤字。鉄道事業の営業収入は前期より2割少ない7856万円。一方、食品販売などの副業事業の売り上げは3億9783万円で、全体の8割を占める。売電事業で更なる多角化を進める」

 同社の電力事業への参入は瞬く間にTwitterで拡散。また同社が10月2日からバンダイナムコエンターテインメントの人気ゲームコンテンツ『アイドルマスター SideM』とコラボレーションすることを公表したこともあって、9月30日午前には東京などで「銚子電鉄」がTwitterのトレンド入りした。

“困っていること”を素直に打ち出す優れたPR

 鉄道会社系大手広告代理店のクリエイティブディレクターは次のように語る。

「バンダイナムコさんとのコラボでは、ゲーム内の人気男性アイドルユニット『Jupiter』のコラボ商品を販売するのです。そこで記念乗車券やパスケースなどの商品を出すようなのですが、そもそも銚子電鉄さんの沿線は交通系ICカードが使えないのです。本来であれば、鉄道ファンやゲームファンから『どうなっているんだ』などというネガティブな反応が見られてもおかしくないのですが、今回は『パスケース出しているのに、自分のところで使えないのがウケる』と盛り上がっています。

 電力事業参入のプレスリリースでも、竹本勝紀社長が困り顔で手を合わせて拝んでいる姿を映した手作り感あふれるコラージュ写真が好評で、『おもしろい』と瞬く間に拡散しました。

 ちなみに銚子電鉄さんの社員は24人です。竹本社長自ら鉄道運行の最前線に立って、よくある“やってる感”ではなく、本当に社員総出で奔走している姿を赤裸々に明らかにしてきました。そうしたこれまでの活動が、ネット上の温かな感想につながっているのではないかと思います。

RANKING
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合