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タクシーも居酒屋も売上がコロナ前の水準に回復…真の経済再開の鍵になる数字とは

文=後藤豊/ライター兼タクシードライバー
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満卓に近い居酒屋の店内
12月に入り、居酒屋もバーも軒並み満卓に近い状態となっている

 街に活気が戻ってきた。タクシードライバーとして、これ以上うれしいことはない。

 コロナ前は平均月収で手取り30万円(年収400万円)だったのが、コロナ禍の2020年はがんばっても20万円(年収260万円)まで落ち込んだ(私が勤める会社の平均)。月に40万円を超えるトップドライバーでも、25万円が限界だった。出勤数を減らして給料補償をした大手と異なり、私が勤務する会社は何の補償もなく、月10万円の貸し付けのみだった。

 しかし、9月末に緊急事態宣言が解除されてからの月収は、元の水準に戻りつつある。12月3日の“ハナ金”では高速道路の利用客が3人いたため、深夜帯(22~27時)の売り上げが5万円。1日の水揚げ(売り上げ)は9万円(税込)にものぼった。また、12月は2万5000円以上の客を2人も乗せている。間違いなく、コロナ前と同じ水準に戻っている。

都内から茅ヶ崎までのメーター料金。距離にして53キロだ
都内から茅ヶ崎までのメーター料金。距離にして53キロだ

居酒屋の売り上げもコロナ前の水準に

 12月に入り、東京都の新規感染者数は1日10~20人と低い水準に収まっている。だからだろう、飲食店にも活気が戻ってきている。客席が50ほどある居酒屋に飲みに行くと、木曜日にもかかわらず7割ほど埋まっていた。金曜や土曜のように“回転”はしなかったが、顔なじみの店主は「今日(12月9日)なら十分だ」と話してくれた。

「緊急事態宣言のときはものすごくキツかった。補償金はすぐに下りないし、さまざまな手続きがものすごく面倒だった。うちは家賃だけで月に200万もかかる。国のみならず県や市の支援金ももらえたけど、貯蓄はほぼなくなったよ。3人の従業員の給料は通常時の6割で勘弁してもらい、アルバイトは全員クビにしたんだ。

 今はコロナ前と同じ売り上げに戻っているよ。当時の曜日ごとの売り上げはおおよそ月~水曜が5万円、木曜と日曜は10万円、金曜と土曜は30万円を超える。クビにしたバイトも1人戻ってきてくれたので、再スタートだよ」(前出の店主)

 その顔には、やる気が感じられた。「少し無茶をしてでも、政府にはオミクロン株の蔓延を防いでほしい」と付け加えてくれた。

12月第4週の感染者数がカギに?

 オミクロン株の蔓延を防ぐ目的で、日本政府は外国人の新規入国を1カ月(12月いっぱい)停止した。インバウンド消費は望めないが、タクシー業界や居酒屋にとっては影響も少なく、12月中は経済再開ムードもキープできると思われる。コロナ前のような大人数の忘年会は減っても、3~5人ぐらいで飲み歩くグループはさほど減らないだろう。

 外国人の入国規制は今後も続くのだろうか。ある経済評論家は「海外の感染者数が減らなければ、1月以降もおそらく延長するでしょう」と語る。

 日本国内のオミクロン株感染者は10人を超えた(12月13日現在)。

「個人的な予測ですが、オミクロン株の濃厚接触者は多くて16人とか41人だと言われています。その濃厚接触者のうち、どれぐらいの人数が感染し、宿泊施設に移るまでの間に別の人と濃厚接触をしているか。ここが重要です。症状が出るまで約2週間とすると、20日からの12月第4週の感染者数がカギとなります。この状況次第で、年明けの経済の行方が見えてくると思います」(前出の経済評論家)

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