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日産・ルノー・三菱自連合、時価総額が半減…遠い再建、ゴーン長期独裁の後遺症

文=編集部
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日産自動車
日産「ノート」(「Wikipedia」より)

 日産自動車カルロス・ゴーン被告が逮捕されてから11月19日で3年が経った。仏ルノーと三菱自動車を加えた日産の日仏連合の時価総額の合計は18年初めに10兆円に迫り、ピークを記録したが、足元では半分まで下がった。3社のトップであったゴーン被告の逮捕後、日仏連合の評価は下がり続けた。

 会社法違反(特別背任)などの罪に問われ保釈中にレバノンに逃亡したゴーン氏は、朝日新聞のインタビューに応じ、10月12日付「朝日新聞デジタル」記事はその内容について次のように報じている。

<ゴーン元会長はルノーと日産の関係について「仏当局は合併を望んだが経営の観点から反対した」と述べた。合併ではなく持ち株会社のもとでの経営統合を検討していたという。ルノーと日産に加え、欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズの参加も探っていたことを明かした>

 また、12月16日付「日経ビジネス」電子版の単独インタビュー記事では、日産・三菱自動車連合の現状に対して「機能不全に陥っている」と切って捨てた。

“独裁者”ゴーン氏を追放した日産がまず推進したのが、ガバナンスの改善だった。トップに立った西川廣人氏はゴーン氏と同じ報酬問題(報酬の隠蔽)で辞任する。新たなトップが決まるまでの暫定社長だった山内康裕氏、19年12月に社長に就任した内田誠氏とわずか1年の間に3人もトップが交代した。

 外部の専門家らを含むガバナンス改善特別委員会は「ゴーン氏に逆らえない社内風土」など問題点を指摘した。委員会の報告を受け、日産は顧問や相談役を廃止した。18年3月期までは取締役全体の人数は9人だったが、社外取締役は3人しかいなかった。それが、現在は12人のうち7人が社外取締役である。ゴーンの長期独裁体制の反省を踏まえ、外部の視点を重視した経営の監視が強まった。

 指名委員会等設置会社への移行でガバナンスの強化を目指す日産は、筆頭株主の仏ルノーとの協議の末、指名委員会にジャンドミニク・スナール、監査委員会にピエール・フルーリォの2人が入った。三菱自動車でもゴーン色が薄まった。日産との提携を実現させた益子修前会長(三菱商事出身)に代わって、加藤隆雄社長が陣頭指揮を執る。ルノーも仏ミシュランから転じたジャンドミニク・スナール会長と独フォルクスワーゲン(VW)傘下のセアト(スペイン)から招いたルカ・デメオCEOが経営の舵を取る。

脱エンジンで正念場を乗り切るのか

 強力なリーダーシップで3社連合を引っ張るのではなく、会議体「AOB(アライアンス・オペレーティング・ボード)」で、電気自動車(EV)の基幹部品の共通化など具体的な協業案件を話し合っている。

 日産は今後5年間で2兆円を投資することを柱とする長期ビジョン「日産アンビション2030」を発表した。EVなど電動車の販売割合を引き上げ、30年度までに車種ベースで5割以上とする。重要部品となる全固体電池の開発も加速させる。

 日産は、ようやく反転攻勢に出る準備が整った。日仏3社連合が本物となって機能するのか。市場の信頼を取り戻すための正念場が続く。

(文=編集部)

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