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高校選抜ラグビー決勝、なぜコロナ感染者いない東福岡が出場辞退?実行委が辞退勧告

文=Business Journal編集部
全国高校選抜ラグビ大会を告知するJRFU公式サイト
全国高校選抜ラグビ大会を告知するJRFU公式サイト

 31日に予定されていた第23回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会(埼玉県・熊谷ラグビー場)の決勝戦が中止になった。報徳学園(兵庫)と東福岡(福岡)の試合が予定されていた。東福岡の「対戦チーム」から新型コロナウイルス感染症の陽性者が出たことで、大会実行委員会が辞退勧告をし、同校が出場を辞退することになったのだという。当編集部が公益財団法人日本ラグビーフットボール協会(JRFU・ラグビー協会)に確認したところ、「東福岡から陽性者は出ていなかった」という。いったいどういうことなのか。

 同協会のプレスリリースによると、29日に同大会中に東福岡が1回戦(3月25日)で対戦したチームより新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されたため、「大会実行委員会は感染拡大防止の観点から東福岡高等学校に辞退勧告をし、東福岡高等学校はそれを受け入れました」(原文ママ)という。閉会式も中止になった。

自チームから陽性者がいなくても辞退勧告

 協会は大会でのコロナ対策のレギュレーションを以下のように定めている。

「<新型コロナウイルス感染症に起因する辞退チーム発生時のレギュレーションについて>

決勝戦

・対戦する片方のチームが辞退もしくは辞退勧告を受けた場合、その試合は中止とし、対戦予定だった相手チームを優勝とする。

・対戦する両チームが辞退もしくは辞退勧告を受けた場合、試合は中止とし、両チームを優勝とする。」(原文ママ)

 同協会広報部門の担当者は今回の措置と前述のレギュレーションについて、次のように説明する。

「東福岡から陽性反応がでているわけではございません。(過去に対戦したチームから感染が広がっている可能性があるので)レギュレーションに従った措置です。この例は、佐賀工業に対しても同じことが起きています。ですので、決勝戦に限って急にこういう話が出てきたというわけではなく、レギュレーションに従ってこういう結論に至っています」

 では、このレギュレーションはどのように作られたのだろうか。同担当者は以下のように語った。

「高校生の大会ということもあり、高体連(全国高等学校体育連盟)さんや、さまざまな実行委員会がありまして、ラグビー協会独自、ラグビー協会だけが裁定したということではございません。その中で、コロナ対策については去年、おととしと議論を重ねて、こういうレギュレーションでいきましょうという形になっています。(できるだけ選手がプレーできる場をつくるため)、安全第一で考えていますので、ここ1~2年、ずっと各チームに対して注意喚起をしておりますし、チームもそれぞれ注意しているという中で、安全に開催するためにこういうような決まりでいきましょうということは事前に共有されています」

国や自治体の「濃厚接触者待機ルール」はどうなっているのか

 厚生労働省は16日、全国の自治体に向けて「B.1.1.529 系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施について」と題した事務連絡を行っている。

 同事務連絡は22日に一部改正された。改正部分を踏まえ、大会のメーン会場のある埼玉県は29日、以下のように濃厚接触者の定義と、その待機期間に関して周知している。

「『濃厚接触者』とは、陽性者の感染可能期間内(※)に陽性者と接触した者のうち、次の範囲に該当する方を言います。※感染可能期間内:発症日の2日前から、診断後に隔離開始されるまでの間

1患者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった方

2手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、マスクなどの必要な感染予防策なしで、『患者』と15分以上の接触があった方(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)

3適切な感染防護無しに患者を診察、看護若しくは介護していた方

4患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い方」

「新型コロナウイルス感染症陽性判明者と最終接触があった日を0日として翌日から7日間(8日目解除)は、外出の自粛(自宅待機)と健康観察をお願いいたします。また、4日目及び5日目に抗原定性検査キットによる検査を行い、陰性であれば5日目から待機解除が可能です」

 政府や自治体の方針が変更される渦中で、今回の東福岡の事例は起こった。まとめると、25日に対戦チームと“濃厚接触”し、29日にその対戦チームメイトの“陽性が判明した”(発症日は不明)ことになるのだが……。

 万が一にも、子どもたちの大切な青春を大人たちの混乱に巻き込んではいけないだろう。コロナ感染対策のガイドラインを、国や自治体、各企業、団体はスピード感をもって適切にアップデートしていくことが求められている。

(文=Business Journal編集部)

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