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今年1月、あるTwitterユーザーの下記のツイートが話題を集めた。
<アパレル店長、死ぬほど頑張っても年収400万行かないみたいな方に、SQLとExcelと基本情報取得を頑張ってもらい、データ分析(実態は集計だけど)の業務委託案件(コネじゃなくて普通にサイトで)獲得させて、年収600万で自宅勤務&定時終了みたいな事例作れたので、そういうアドバイスをしていきたい…>
このツイートは、「統計屋」を名乗り1.5万人のフォロワーを持つ“(あんちべ! 俺がS式だ)”氏のもので、3000件以上のいいねを集めている。
IT業界未経験の他業種の人でも、SQLとExcelを習得し、基本情報技術者の資格があれば年収600万円を稼げるということだが、本当なのだろうか。そして、それらのスキルを身につけるには、どれほどの時間と労力が必要なのだろうか。そこでITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子氏に話を聞いた。
プログラミング言語とデータベース言語の違い
はじめにSQLとはどういったものなのか。
「SQLとはデータベースを操作する言語のことです。データベースとは特定のデータを集めて、使いやすいように整理した情報の塊のことで、これを操作する言語がデータベース言語と呼ばれます。そのなかで現在最も主流なのがこのSQLです。
データベース言語はプログラミング言語と混同されがちですが、プログラミング言語がコンピュータを操作するのに対して、データベース言語はデータベースを専門に操作するのに使用されています。有名なところだとビッグデータの解析や、サービスの開発、AIでの活用などでしょうか。国際標準化されていてさまざまなデータベースで使用できることもあって、WEBサービスの開発にはSQLが欠かせない存在となっています」(高橋氏)
では本題であるSQLとExcelを習得し、基本情報技術者の資格を取得すれば、年収600万円を稼ぐことは可能なのか。
「このツイートで書いているとおり、他業種からの転職の未経験者でも、年収600万円を稼げる可能性は充分あると思います。例えば『カカクコム』が運営するアグリゲート型の求人検索サイト『求人ボックス』で、“東京都”“データ分析”“在宅”“業務委託”と条件を設定すると、東京都の平均年収は624万円と表示されます。
もちろん初めからこれだけの年収を稼ぐのは難しいでしょうが、業界未経験でもスキル次第では高額案件を任される可能性もありますし、正社員を目指すこともできるでしょう。また、ツイートではアパレル業界の店長を例に出ていましたが、確かに小売店のように収入が頭打ちになってきてしまう業種と比べると、業界的に伸び代があると言えますね」(同)