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神戸山口組副組長宅に車が特攻! またも六代目山口組からの揺さぶりか…背景を読み解く

文=山口組問題特別取材班
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被害に遭った神戸山口組・入江副組長の自宅

 山口組分裂問題に伴う抗争においても、その劣勢が伝えられ、「すでに決着はついた」と業界内外で評されても、神戸山口組は解散することなく、現在も存続している。それは同組織のトップである井上邦雄組長の意向が大きいといわれている。

  「神戸山口組の中核組織だった五代目山健組も、今では六代目山口組に復帰しています。もともと四代目山健組を率いていたのは井上組長でしたが、五代目体制となり、袂を分けた形になりました。こうした主力組織の離脱もあり、現在の神戸山口組は結成当初からは比較しよもないほど衰退していると見られています。それでも井上組長は『たとえ1人になっても解散も引退もしない』と周囲に語っていると見られています。現にここ最近も、他団体を尋ね、そのような意向を漏らしたようだと関係者の間で話題になっていました」(実話誌ライター)

 こうした井上組長の考えに近いと見られているのが、神戸山口組副組長である二代目宅見組・入江禎組長だという。宅見組といえば、五代目山口組で若頭を務めた宅見勝組長が創設した組織で、大阪ミナミに拠点を置き、その名を轟かせていた組織だ。六代目山口組発足後も、入江組長率いる二代目宅見組は、総本部長、舎弟頭と最高幹部を歴任し、強固な六代目体制の一翼を担っていた。それだけに六代目山口組から二代目宅見組が離脱したことには、誰しもが耳を疑ったほどだった。巨大勢力を誇った山健組と宅見組が連帯して山口組を割ったことで、山口組分裂問題は業界全体に波紋を呼んだとさえいえるだろう。

 ただ、昨今は二代目宅見組ですら、その衰退ぶりが顕著だ。今年に入り、傘下組織である、そもそもは入江組長が結成した三代目勝心連合が、六代目山口組の中核である三代目弘道会系組織へと移籍。また、本部事務所売却話も幾度となく飛び交っているほどだ。

 そうした中で、5月8日、入江組長宅に車が突っ込むという事件が起きたのだ。山口組の分裂問題以前であれば、考えられなかったことだろう。果たしてこれは六代目山口組サイドからのなんらかの圧力なのか。捜査関係者はこのように話す。

 「最近は、神戸山口組の若頭を務める寺岡会長(俠友会・寺岡修会長)の関係先にも発砲事件などが起きたりしている。中にはそうした事件を受けて、神戸山口組を去り、組織を解散させた組長もいる。今回の件も『神戸山口組が解散するまで徹底的にやる』という六代目サイドによる揺さぶりと考えるのが普通ではないか」

 今回の事件と六代目山口組を関連付けるように、逮捕された菅野義秀容疑者は、三代目弘道会の本拠地のある名古屋市内に住んでいたと見られている。

 「菅野容疑者の実弟は、一時大阪ミナミでその名を馳せた半グレ集団・アビスグループのリーダーだった男。アビスは一世を風靡したあと、内部分裂や内輪揉めのトラブルなどを繰り返し、当局の大規模な摘発を受けた。実弟は現在も服役中だ。菅野容疑者も元アビスの幹部。大阪から名古屋市内に移り住み、今回入江組長宅へ車を突っ込ませたと見られているが、ミナミを拠点としていた宅見組の組長宅に、同じくミナミが根城だった半グレのリーダーの実兄が車を突っ込ませたところに、神戸山口組存続の意味を考えさせられる」(業界関係者)

 神戸山口組が六代目山口組を割って出た際に掲げる大義の中には、若い衆(組員)のためというものも含まれていた。それが、大きな存続意義のはずだったが、現状は次々に組員たちが神戸山口組を離脱し、六代目山口組へと帰還を果たしている。一方で、分裂問題が解消しない限り、組員たちが武力を行使させられることになるのだ。

 六代目山口組が神戸山口組の存在を認めていない以上、こうした状況は今後も続くことになると考えられる。そんな中で起きた、副組長宅が狙われた今回の事件は、神戸山口組内での衝撃も大きいはずだ。さまざまな角度から見ても、山口組の分裂問題は終焉へと向かっているといえるのではないか。

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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