
“iPhone 13 miniが1円で投げ売りされている”という情報が、SNSなどでまことしやかに囁かれている。iPhone 13 miniは、アップルから昨年秋に発売されたばかりのモデル。それがNTTドコモや、KDDI、ソフトバンクなどの3大キャリアで投げ売りされているというのだ。
例えばau(KDDI)では、128GBのモデルを10万1070円(税込、以下同)で販売しているが、さまざまなプランを適用していくと最終的に1円になるというのである。発売からまだ7カ月ほどしか経っていないモデルが、本当に投げ売り状態になっているのだろうか。また、もし本当ならば1円になるにはどのような条件が必要となってくるのか。そこで今回は、国内外のスマートフォン事情に詳しいITジャーナリスト・富永彩乃氏に、これらの疑問について聞いた。
1円は1円でも購入ではなくレンタルだった
昨秋に発売したばかりのiPhone 13 miniが、投げ売りされているというのは本当なのだろうか。
「まずは、“投げ売り”という表現が間違っているということから説明させてください。確かにいろいろなプランを複合していくと、1円でiPhone 13 miniを手に入れることはできるのですが、注意すべきは購入ではなく実質的にはレンタルだということです。SNSなどでは“1円で購入できる”といった声が多く見られるので、勘違いしてしまう方も多いのでしょうが、1円でiPhone 13 miniが手に入るのは2年後に返却することが前提のプランなんです」(富永氏)
ただレンタルとはいえ、2年間も1円で使用できるのであれば、やはり破格。これをiPhoneの凋落と見る向きもあるようだが。
「いえ、それも間違った認識でしょう。iPhone 13 miniがこのような価格で販売されていることから、“アップルの人気低迷”という意見もたびたび目にしますが、この1円販売とアップルの需要低迷とは関係ありません。
こういった破格セールは、販売代理店が契約数を増やすためにときどき行っているもので、最新機種かもしくは1世代前の比較的新しい機種を目玉にすることで集客を狙っています。今回はそれがたまたまiPhone 13 miniだったということだと思います。
しいていうなら、iPhone 13 miniはiPhone 13シリーズのなかでは比較的人気が低いので、各店がまだ抱えている在庫を減らしていきたいという思惑はあるかもしれませんが、それをもってして“iPhoneの凋落”というのは暴論ですね」(同)
1円でのレンタルには3つの割引プランの併用が必要
では、どのようなプランにすると1円でレンタルできるのか。