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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

TKO木本、“善意”の返金で贈与税が発生?若手芸人を狙う投資詐欺問題

文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人
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TKO木本、善意の返金で贈与税が発生?
「TKO木本武宏のキモトゥーブ」より

 元国税職員、さんきゅう倉田です。好きな投資は「積立NISA」です。

 少し前から、お笑い芸人・木本武宏TKO)さんの投資トラブルが話題になっています。木本さんは、自らが勧誘した方に対してお金を返すという意思表示をしました(報道によれば、すでにお金を返している可能性もあります)。そして、この行為が贈与に当たるのではないかと、専門家から指摘が出ています。

 Twitterやネットニュースなどで「贈与になる」と知っても、なぜ贈与になるのかわからなかった方が大半かと思います。

「お金を返す」「弁済する」と表現されていますが、木本さんが実際にお金を借りていたわけではありません。お金を出した方々は、木本さんから投資の話を聞き、木本さんの仲介を受けて、“投資家”にお金を渡しました。ちなみに、ここでは便宜的に「投資家」と表現しますが、金融商品取引法で定められている事業者としての登録を行っていなかったそうです。

 だから、仲介を行った木本さんは出資金を受け取っていないし、預かってもいない。お金をもらってもいないし、借りてもいない。だから、お金を返すべき当事者ではないように思います。

 ただ、ご本人が責任を感じ、返金する旨の意思表示をしたことで、「贈与に当たるのではないか、それならば贈与税がかかるのではないか」と取り沙汰されているのです。

 借りたお金を返すわけでなく、知人が投資で損をしたから(詐欺である可能性もありますが)、その損をした分のお金を渡す。つまり、お金をあげているに等しい。

 贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。お金やモノをもらえば、贈与税がかかります。だから、今回のような方法でお金を返せば、受け取った側は贈与税がかかり、贈与税の申告が必要であると指摘されています。

 投資の損失は自己責任です。投資した方々は、そのことを理解していたと思います。それでも木本さんは仲介者として責任を感じ、返金するという。それほどまでに自分の行為に対して責任を感じる方なので、周囲の人々からの信頼が厚く、出資する方も多かったのかもしれません。

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17:30更新
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