NEW

「圧倒的Fラン感」新名称・東京科学大学が物議、偏差値低下の懸念?東工大・医科歯科大

文=編集部、協力=石渡嶺司/大学ジャーナリスト
【この記事のキーワード】, ,
「圧倒的Fラン感」新名称・東京科学大学が物議、偏差値低下の懸念?東工大・医科歯科大の画像1
東京工業大学のHPより

「さっそく会社で『東京科学大学出身の〇〇くん』ってバカにされましたよ」(東京工業大学OB)

 19日、2024年度の統合を予定している国立の東京工業大学と東京医科歯科大学が新大学の名称を「東京科学大学」にすると「NHK NEWS WEB」などで報じられた。このネーミングをめぐって、SNS上では偏差値が低い大学を指す「Fランク大学」のイメージが強いとして、「圧倒的Fラン感」「ダサい」「紛らわしい」などの声が続出するなど物議を醸している。

 両大学はともに長い歴史を持つ名門の難関国立大学として知られている。河合塾が発表している2023年度入試難易予想一覧表によれば、2次試験の偏差値は東工大の工学院は65、東京医科歯科大の医学部は70となっており、東京大学の理科一類が67.5であることからも、なかりの「狭き門」であることが理解できる。

 医系、理工系の単科大学としては日本トップの両大学は22年10月に統合で合意したが、その目的の一つが、国からの「国際卓越研究大学」の認定取得だ。認定されると年間で数百億円の支援を受けられるため、研究活動や設備拡充が進む可能性がある。

「経済界、とくに製造業や情報通信業など技術系の業界では『東工大出身』という肩書は東大工学部・理学部出身者とほぼ同じ扱いといっていい。大手メーカーの経営トップにも東工大OBは多く、東大と遜色ない」(大手電機メーカー課長)

 また、東京医科歯科大も国公立大学医学部のなかでは東大・京大に次ぐ難易度を誇るが、そんな両大学の統合後の新名称が「東京科学大学」となる方針であることがわかり、SNS上では以下のようにさまざまな反応が寄せられている。

<圧倒的ダサさと圧倒的Fラン感がある>(原文ママ、以下同)

<やっちまった>

<東京科学大学 千葉にありそう>

<それならいっそ、「東京」外して「国立科学大学」とかにすればよかったのに>

<かわいそう とくに医科歯科大のほう>

<医科歯科志望的にはどうなんだ?東京科学大附属病院ってなんか弱そう>

<「東京科学大学産婦人科〇〇です。」っていま医科歯科にいる人は言いたくないだろうな>

なぜ「東京工業医科歯科大学」ではない?

 SNSの反応をみると、大学名に「科学」という言葉が入っていることが注目されているようだが、大学名に「科学」が含まれる大学の偏差値をみると、

・北海道科学大学 35.0~47.5
・大阪人間科学大学 37.5~40.0
・流通科学大学 37.5~42.5
・千葉科学大学 BF~47.5
・京都先端科学大学 BF~45.0
(偏差値は河合塾の発表データ)
 ※「BF」はボーダーライン設定不能の意味

となっているが、大学関係者はいう。

「普通に考えると『東京工業医科歯科大学』『東京医科工業大学』などが無難なところだろうが、大学の格という意味では両大学は拮抗しているので、どちらかの名前を『先』に持ってくることが難しかったのかもしれない。また、すでに東京電機大学、東京農工大学、工学院大学、東京医科大学、東京歯科大学、東京工科大学、東京理科大学、日本医科大学など紛らわしい名前の大学が多数あり、『工業』『医科』という言葉を意図的に避けたのかもしれない。もっとも、新名称はかなり評判が悪いみたいだし、東京理科大学とかなり似てしまっていることもあり、新名称はまだ決まったわけではないようなので、今後見直される可能性はある」

 大学ジャーナリストの石渡嶺司氏はいう。

「多少長くても、『東京工業医科歯科大学』または『東京医科歯科工業大学』が有力と考えていたので意外。『工業』と『医科歯科』はこれまでのブランドがあるわけで、それを活かさないのはもったいない、との意見も多い。それをわかったうえで、あえて捨てる選択をしたのだろう。

 科学を冠する大学には北海道科学大学、千葉科学大学、大阪人間科学大学、流通科学大学(兵庫県)などがあり、確かに偏差値が高いとはいえない大学が多い。ただ、地域の重複がないのと、工業・医科歯科をまとめるキーワードとして『科学』というのは悪くない。

 あえていえば、東京理科大学と英語名表記が重複する可能性がある。東京理科大学は“Tokyo University of Science”だ。03年に東京商船大学と東京水産大学が統合してできた東京海洋大学の英語名称は“Tokyo University of Marine Science and Technology”。東京科学大学も英語名称には“Medical and Dental”と“Engineering”などを冠することが考えられる。

 大学名以外でも日本語・英語では名称が異なる先例はある。たとえば三井住友銀行は“Sumitomo Mitsui Banking Corporation”で、三井と住友が逆になっている。古いところでは日本社会党が社会民主党への党名変更を検討した際に、日本社会党を意味する“The Social Democratic Party of Japan”に落ち着いたことがあった。これと同じになる可能性がある。

 気になるのは、今回の新名称が大学の志望者減や偏差値低下を招いてしまうのではないかという懸念も指摘されている点だが――。

「一時的には東京科学大学という名称が認識されず、ブランド価値は低下する。ただ、偏差値低下や入学志望者減などにはつながらないだろう。もともと2校は医工連携などを進めていた。今後、一つの大学になる以上、この医工連携をさらに進めて、現状以上に研究をリードする大学になってほしい」(石渡氏)

 また、予備校関係者はいう。

「その心配はないでしょう。両大学は名実ともに国内では理系の最高峰で、志望する学生も大学のブランド名に惹かれて受験するというよりは、純粋に研究や将来のために『より高いレベルの大学に入りたい』という動機を持っているため、名称はあまり意識しないのでは。そもそも東京工業大学という現在の名称自体、『ダサくないかどうか』という視点で見れば微妙だし、理系以外の人たちの間では『スゴい大学』だということ自体よく認知されていない面もある。東工大を志望するような学生に、大学の名称など気にする人は少ないでしょう」

 果たして新大学の船出はいかに――。

(文=編集部、協力=石渡嶺司/大学ジャーナリスト)

情報提供はこちら

「圧倒的Fラン感」新名称・東京科学大学が物議、偏差値低下の懸念?東工大・医科歯科大のページです。ビジネスジャーナルは、ジャーナリズム、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!

RANKING

17:30更新
  • ジャーナリズム
  • ビジネス
  • 総合