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「小さな子どもを持つ女性に消防設備士が最強の資格」説…年収400万円超えも

文=渡辺雅史/ライター、協力=並木秀陸/ナルミナスキャリア株式会社代表
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消防設備士の紹介ビデオ(一般財団法人消防試験研究センターのHPより)
消防設備士の紹介ビデオ(一般財団法人消防試験研究センターのHPより)

 少し前、小さな子どもを持つ女性が働くなら消防設備士が「最強の資格」だというSNS・X(旧Twitter)上への以下投稿が話題となっていた。

<女性こそ取るべき資格! それは「消防設備士」 なぜかというと、女性はどうしても結婚、出産、育児と何かと仕事が続けれない事が多く、私も実は7人子どもいるんですがw やはり子どもが小さいうちは、土日が出れないから、病気になると休みがちになるからという理由で面接受けても断られる事が↓>

<多かったのです。 そこで役に立つのがこの消防設備士という資格!これは国家資格だし、資格保有者しか出来ない独占業務ばかり。 つまり、この資格さえ持っていれば、消防設備業界では絶対に欲しい人材! そして女性というのも、なかなかこの業界には足りてないので、女性特有の場所の点検とかにも↓>

<重宝される これ、本当に最強の資格だと思います 乙種は特に実務経験も不要で取得できるので、乙6とかを先に取得しておけば、消火器だけの物件ばかりの所とかかなり多数あるので重宝します>

 消防設備士とはどのような資格なのか。また、子育てをする女性に向いている資格は他にどんなものがあるのか。司法書士、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士、マンション管理士など多数の資格を持つナルミナスキャリア代表の並木秀陸氏に話を聞いた。

「消防設備士は、甲種が特類〜5類の6種類、乙種が1類〜7類の7種類の計13種類で構成される資格です。甲種は『消防設備を工事、整備、点検することができる資格』で、乙種は『消防設備の整備、点検ができる資格』です」

 点検の際に故障している箇所を発見した場合、その場で工具を使って修理できるのが甲種、点検して故障している箇所を見つけることはできるが修理できないのが乙種となる。また、特類、1類などの「●類」というのは、工事や点検ができる消防設備の種類を指すもので、「特類」や「1類」を取得したら「2類」「3類」のものを工事、点検できるというものではない。試験日程、1年間で実施される試験の回数は都道府県によって異なるが、少ないところでも年1回は実施される。

「SNSで特に話題となっていた『乙6種』は合格率が40%ほど。半数以上が落とされるので難しそうというイメージを抱く方もいるかもしれませんが、国家資格の試験の世界で合格率40%というのは『少し勉強したら受かる』というレベルです」(同)

「乙6種」は消火器を整備、点検できる資格。住宅やオフィスビルには消火器は必ず設置されるもの。求人サイトを調べてみると、正社員の募集がズラリと出てくる。月給30万円上、年給400万円以上という募集も多い。ただ、正社員の募集が多く、平日にガッツリ働くという業務がほとんどだ。

「マンション、オフィスビル、学校、病院など、あらゆる建物は、消防法で消火器などの消防設備の設置を義務付けられているので、消防設備士の仕事先は多いです。が、資格を取っても点検先の建物を管理する人とのつながりがいきなりできるわけではありません」

 フレキシブルな働き方ができるようになるためには、ある程度の期間正社員として働き、点検先の人とのつながりを作る必要がありそうだ。

「以前、タレントのザブングル加藤さんが闇営業問題やコロナ禍で仕事が激減した際、消火器点検の仕事で収入を得ていたというエピソードが話題となりました。いざというとき、仕事先を見つけるために『乙6種』が役立つ資格であることは確かですね」

宅建士もおすすめ

 では、並木氏がおすすめする、子育て中の女性に向いている資格は。

「宅地建物取引士、いわゆる宅建士の資格ですね。合格率は15%と、かなり勉強しないと取れないのでハードルは高いです。ですが、不動産を扱うための宅地建物取引業の免許を持つ事務所には5人に1人、専任の宅建士の配置が義務付けられています」

 専任なのでフルタイムでの勤務が必要となるのがネックのように思えるが、5人に1人配置しないと企業に罰金が課されるため、前任者が家庭の事情などで急に退職して後任者が決まるまでの繋ぎとして短期間募集するというパターンもある。

「不動産を扱う仕事は、いわゆる不動産屋はもちろんですが、金融業であれば、住宅ローンや融資の際の不動産担保、保険業であれば、住宅に関して火災保険や地震保険、その他の業界でも、たとえば、全国に店舗を展開する大手飲食チェーンなども新規出店の際、土地や建物の取引をするので、新規店舗開発セクションがある企業も、じつは宅地建物取引業の免許を持つ企業であることが多いのです。そのため、やはり5人に1人、宅建士を置かなければなりません」

 人材を求める企業が多く、ハローワークでも求人サイトでも簡単に募集が見つかる宅建士。先ほど並木氏のコメントに登場したザブングル加藤氏がXで宅建士の資格を取得して話題となったことからも、その資格の有用さはうかがえるだろう。だがすでに子育てを始めている人は試験勉強の時間を確保するのが厳しそう。また消防設備士の「乙6種」もコネクション作りが厳しそうなので、こういった子育て中に役立ちそうな資格は、子供が生まれる前に取得しておいたほうがよさそうだ。

(文=渡辺雅史/ライター、協力=並木秀陸/ナルミナスキャリア株式会社代表)

並木秀陸/ナルミナスキャリア株式会社代表

並木秀陸/ナルミナスキャリア株式会社代表

現在、司法書士、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、FP技能士、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士などさまざまな国家資格を保有。自身が質の低い資格予備校講義を受けてお金を失った経験から、大手予備校の講師となる。その後、独立し、ナルミナスキャリア株式会社(宅建試験対策の研修がメイン事業)代表として、同社を経営。主な著書に、『捨てる勉強法 試験は参考書の3割で一発合格できる!』 (明日香出版社)『はぶく勉強法』(秀和システム)など。
ナルミナスキャリアのHP

Twitter:@n_takken

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