本連載前回記事では、ある日突然社外からまったく知らない上司がやってきた際、その“落下傘上司”の当たり外れを見極める方法や、自分が職場のエース的立場だった場合の対処法について紹介しました。今回は、自分がエースではなくごく普通の社員の場合にどう対処していくべきかについて、考えていきます。
参画・協力姿勢を示す
この場合も、「最初は上司に逆らわない」という基本線は変わりません。加えて、自分なりに考える会社や部署の課題、解決のためのアイディア、それに対するボトルネックやハードルを頭の中で整理しておくべきです。すべてを考えるのは難しいとしたら、一部だけでも構いません。ただし、それが披露できるタイミングはなかなかきません。それをいつの日か披露できるように、じっと待ちます。何かの折にそれを上司と話すタイミングがきたときに、きちんと話せるようにしておくことが大切です。
しかし、本当にただじっと待っているだけでは、仕事上の大切な話を持ちかけられないかもしれません。かといって、自分から話を切り出すのも変です。仕事の話題を振られるためには、上司が出ている会議においては、なんでもいいので必ずひと言以上は発言することです。
ただし、奇をてらって何か斬新な内容を話してアピールしようと目論むのは、ピント外れになってしまうという逆効果のリスクがあります。ですので極端にいえば、相手の言うことに対して、「私も以前から似たようなことを思っていました」だけでも構いません。そうすることで、「あ、こいつはひょっとして何かいろいろ考えているのかも」と思われます。
また、社内の風習がどうであれ、とりあえず落下傘上司がやってきてからしばらくは、できる限り退社時間を上司よりも遅くし、上司が帰る際には顔を見ておくことです。帰り際は、上司も飲み会などの予定がない限りは少し時間に余裕があり、かつ仕事中の思考回路が残っているので、仕事に関して何か話しかけてくる可能性が高いです。
答える内容は、正解である必要はありません。大切なことは「何か自分なりに考えている」という事実を認識してもらうことです。その最初の瞬間が、“その他大勢”として扱われるのか、エースの次に意見を聞く相手として見られるかの分水嶺になります。出すぎた杭は打たれてしまいますが、出なさすぎると見切られてしまいます。
健全なイエスマンになる
それでも、そうした気の利いた内容・アイディアがまったく考えつかない場合には、健全な「イエスマン」になりきるしかありません。健全なイエスマンとは、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)のうちの特に「ホウレン」を意識することです。