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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

もはや表現しようがない…グーグルのオフィスに行ったら、こんなにスゴかった!

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授

 こうした雰囲気づくりは、スタッフ間のコミュニケーションが円滑に進むように、という狙いのようです。

 以前、筆者はマイクロソフトの本社を訪問したことがあるのですが、一人ひとりに個室が与えられており、「さぞや仕事に集中できるだろうな」と感じました。

 一方、グーグルのオフィスはデスクになんの仕切りもなく、各スタッフには高さが自由に変えられる机と椅子が与えられているだけでした。高さが変えられるため、立ったまま仕事をしているスタッフも数多く見受けました。同じIT業界の企業でありながら、マイクロソフトとは対照的な雰囲気に戸惑うばかりでした。

グーグルが大切にしている10のこと

「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」

 これは、有名なグーグルのミッションですが、同社はこのほかにも「シンプルであること」を重視しているようです。

 グーグルがサービスを開始した当時、記者が創業者のラリー・ペイジCEO(最高経営責任者)に「なぜ、グーグルのサーチエンジンのデザインは他社と異なり、超シンプルなのか」と尋ねると、「自分は、あまりHTMLに詳しくないから」という答えが返ってきた。

 こんな笑い話がありますが、シンプルであることは、今もグーグルにとって重要な要素となっています。例えば、さまざまな情報サービスにおいて、シンプルであることは速度を高めます。そして、速ければ速いほど、ユーザーエクスペリエンス(顧客経験)も上がるというわけです。

 また、筆者を案内してくれた友人は、製品開発部門のユーザーエクスペリエンスにかかわる部署に所属しているのですが、彼の部署をはじめ、多くの部署で重要視されていることとして、以下の3つを紹介してくれました。

「Be bold and experiment…and learn from it」(勇敢にどんどん試そう、そして学ぼう)

「Delight is a great goal」(楽しみは素晴らしいゴールである)

「Get start now!」(すぐに取り掛かろう!)

 ひとつめの「Be bold and experiment…and learn from it」は、サントリー創業者である鳥井信治郎氏の精神「やってみなはれ」の英語訳としてもぴったりだと感心してしまいました。

 こうしたスローガンがあるグーグルでは、あるプロジェクトが失敗に終わっても、そこで得た学びを生かし、次のプロジェクトは成功するケースが非常に多いようです。

 また、エンジニアが出したアイデアが市場ニーズに合わないと判断され、没になったとしても、「では、これは?」と次々にアイデアを出してくるのが常のようです。

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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