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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

もはや表現しようがない…グーグルのオフィスに行ったら、こんなにスゴかった!

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授
もはや表現しようがない…グーグルのオフィスに行ったら、こんなにスゴかった!の画像1グーグルのフリーモントオフィスの受付

 グーグルは、今や検索エンジン市場で圧倒的な強さを見せています。世界的に見ても、グーグルの影響力が及ばない国は中国くらいでしょう。

 こうした状況は業績にも見事に反映され、2015年第二四半期の決算発表によると、グーグルの売り上げは2兆円を超え、純利益は5000億円に迫っています。さらに、IT事業にとどまらず、自動車の自動運転や医療など、最先端のテーマにも積極的に取り組んでいます。

 設立20年に満たないこの企業の大躍進ぶりに、筆者は以前から興味がありました。そして今回、アメリカのグーグルのオフィスを訪問し、友人であるスタッフから説明を聞く機会があったので、その概要をお伝えしたいと思います。

 スタッフ一人ひとりがイキイキと働き、積極的にアイデアが創出され、実行されていく組織を築き上げるために、どのような雰囲気づくりやマネジメントが行われているのでしょうか。

カジュアルなグーグルのオフィス

 筆者が訪問したのは、カリフォルニア州マウンテンビューの本社ではなく、ワシントン州フリーモントのオフィスです。グーグルのオフィスは世界40カ国に70以上ありますが、フリーモントのオフィスは、近郊のカークランドオフィスと合わせるとスタッフ数が3000人を超え、マウンテンビュー、ニューヨークに次ぐ3位の規模になっています。

もはや表現しようがない…グーグルのオフィスに行ったら、こんなにスゴかった!の画像2『「高く売る」戦略』(大崎孝徳/同文舘出版)

 今や世界中にオフィスを構える企業は珍しくありませんが、開発部門は本社や開発センターなどに集中させ、各所に営業部門を配置するというケースが主流です。

 しかし、グーグルは開発部門も各所に振り分けています。この点に関して、「効率が低下することは認識しているが、才能ある人材を確保するためには有効な手段である」とのことでした。

 また、フリーモントにオフィスができたのは、伝説的プログラマーを採用する際に「地元であるフリーモントにオフィスがあれば、グーグルに就職してもいい」と言われたから、という話もあります。

 フリーモントのオフィスはシアトルから車で20分程度で、川沿いの素晴らしい環境に立地しています。そのため、仕事帰りにカヌーを楽しむスタッフも少なくないようです。

 オフィスの中は受付の雰囲気同様、カジュアルという言葉がぴったりでした。いたるところに、卓球台などの遊具施設、フード・ドリンクコーナーが配置されています。

 この雰囲気をどう表現すればいいのか難しいところですが、世界中の人が集まり、和気あいあいと談笑している、ヨーロッパのユースホステルの共同スペースのように筆者は感じました。

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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