日本チェーンストア協会がまとめた7月の全国スーパー売上高は1兆73億円だった。既存店の販売実績は前年同月比7.1%減。消費増税の駆け込み需要の反動減があった2015年3月以来、4年ぶりの低水準となった。マイナスは4カ月連続である。
調査対象は、企業数56社(対前年同月比2社減)、店舗数1万504店(同285店増)。全体の66.2%を占める食料品は5.3%減(既存店ベース)。天候不順で飲料などが不振だったほか、前年より青果相場が安く客単価を押し下げた。夏物衣料が不調だった衣料品は16.2%減。扇風機などが苦戦した住居関連も7.3%減と低調だった。
関東などで長雨と低気温が続き客足が伸びなかったという。天候要因はあるものの、数字があまりに悪いことに業界はショックを隠せない。同協会の井上淳専務理事は「節約志向が常態化し、増税前で消費者心理も冷え込んでいる」と話している。
イトーヨーカ堂は1割の落ち込み
主力スーパー各社が発表した月次営業情報をまとめた。
ユニーは日本チェーンストア協会から5月に退会。かつてユニーはセブン&アイ・ホールディングス(HD)、イオンに次ぐ第三勢力だったが、ドンキホーテホールディングス(現パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス=PPIH)の完全子会社となったためだ。PPIH傘下のドン・キホーテとユニーの数字は以下のとおり。
【主力スーパーの7月の既存店売上高】 前年同月比(%)
既存店 全店
<イオングループ>
イオンリテール ▲6.0 ▲5.7
イオン北海道 ▲3.7 ▲3.6
イオン九州 ▲6.5 ▲5.6
<セブン&アイHD>
イトーヨーカ堂 ▲9.9 ▲10.6
ヨークベニマル ▲4.8 ▲3.4
<準大手スーパー>
ライフコーポレーション(関西・首都圏) ▲4.2 ――
<地方スーパー>
イズミ(広島) ▲5.5 0.5
平和堂(滋賀) ▲3.5 ▲2.9
イズミヤ(大阪) ▲12.1 ▲9.6
サンエー(沖縄) 6.0 0.1
<PPIHグループ>
ドン・キホーテ ▲4.3 ▲1.5
ユニー ▲5.9 ▲13.6
(資料:各社の月次営業情報。▲はマイナス)
増収を確保したのは沖縄で食品スーパーを展開しているサンエーだけだった。一方、不振を極めたのは総合スーパー。食料品から衣料品、日用雑貨までなんでも揃う総合スーパー(GMS)は長らく日本の小売業を牽引してきたが、いまや、その不振は目を覆うばかりだ。
GMSの代表格だったイートーヨーカ堂は親会社のセブン&アイHDが構造改革に取り組んでいる。ユニーはPPIHの傘下に入り再建中だ。GMSが小売市場から消える日は近いかもしれない。
地方百貨店は底なし沼
日本百貨店協会がまとめた7月の全国百貨店の売上高は4971億円。既存店ベースで前年同月比2.9%減と4カ月連続で前年を下回った。調査対象は、78社、215店。6月からの増減はない。