日経の採用状況調査の結果によれば、主要業種別で前年に比べて内定者が減った業種は16業種あり、前年の7業種の2倍以上に増えた。同紙では「業種によるばらつきが目立った」「業種間の人材争奪が激しくなっている」と解説されている。
食品、医薬品、(自動車・部品を除く)その他輸送機器、マスコミ・出版・広告の4業種は2ケタ減だったが、この結果を疑問に思った就職活動中の学生は少なくないかもしれない。いわゆる「ブラック企業」が多いとされている業種、たとえばシステム開発、人材派遣、専門店、リフォーム、外食などが属する業種は大きく減っていなかったり、逆に増えているからだ。
では、具体的にブラック企業が多い業種とはどこなのか。
就職偏差値ランキング委員会は「ブラック企業(2016卒用)偏差値ランキング」を企業の実名入りでインターネット上で公開しているが、その「2016卒用ランキング」の偏差値60以上の企業名(業種名の場合もある)を業種に置き換えて独自に集計すると、ワースト業種は次のようになった。
【ブラック企業が属する業種ランキング(業種名は日経新聞の区分けによる)】
1位:外食・その他サービス(22社)
2位:その他小売(15社)
3位:情報・ソフト(13社)
4位:電機(8社)
5位:不動産・住宅(7社)
6位:陸運・海運・空運(5社)
7位:ホテル・旅行(4社)
7位:医薬品(4社)
7位:マスコミ・出版・広告(4社)
(就職偏差値ランキング委員会「ブラック企業(2016卒用)偏差値ランキング」より独自集計)
就職偏差値ランキング委員会は「長時間労働・サービス残業の蔓延だけでなく、大量リストラを毎年のように発表している企業も学生ウケが悪いのか、上位に食い込んできているようです」とコメントしている。
しかし、このワースト業種ランキングに前出日経記事に掲載された業種別の内定者数の増減データを当てはめると、次のようにまちまちだった。