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垣田達哉「もうダマされない」

消費増税でもマックやケンタが税込価格を据え置き(=実質値下げ)にした“本当の理由”

文=垣田達哉/消費者問題研究所代表

 店側にとって、もう一つ面倒なことがある。「店内で食べようと思ってイートインでレジ精算したけれど、席が空いていなかったから、テイクアウトに変更してください」と、顧客に申し出られると断るわけにはいかない。こういう申し出は、店が混んでいる時で、レジ待ち客が多い時だ。そんな時に、一つのレジを変更処理だけに使うことになると、ますますレジ待ちを長くする原因になる。

利益を犠牲にしても……

 そして、店側が税込価格を据え置くもっとも大きな理由は、そうしないと顧客が逃げる可能性があるからだ。表を見てもらうとわかるが、例えばビッグマックの場合、消費税率10%を適用すると397円になり、1円の単位は0円にしたいので、四捨五入すると400円になる。増税されたのだから当然とはいえ、客側からみれば10円の値上げは厳しい。

 値上げされれば、持ち帰りが多くなる。持ち帰りが多くなると、持ち帰り用の紙袋が必要になるので、コストアップになる。値上げをすれば、ライバル店に顧客を取られる可能性もある。しかし、税込価格を据え置けば、今まで通りの来店客数を維持することができる。マクドナルドのように、ショッピングセンターのフードコートに出店していると、持ち帰りが難しいラーメン店やうどん店などと差別化ができ、顧客が増える可能性がある。よって、増税後の節約志向が高まっても、悪影響は少ないのではないか。

 店側からすれば、利益を多少減らしても、来店客数と売り上げを維持したいというのが本音だろう。

(文=垣田達哉/消費者問題研究所代表)

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垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

垣田達哉/消費者問題研究所代表、食品問題評論家

1953年岐阜市生まれ。77年慶應義塾大学商学部卒業。食品問題のプロフェッショナル。放射能汚染、中国食品、O157、鳥インフルエンザ問題などの食の安全や、食育、食品表示問題の第一人者として、テレビ、新聞、雑誌、講演などで活躍する。『ビートたけしのTVタックル』『世界一受けたい授業』『クローズアップ現代』など、テレビでもおなじみの食の安全の探求者。新刊『面白いほどよくわかる「食品表示」』(商業界)、『選ぶならこっち!』(WAVE出版)、『買ってはいけない4~7』(金曜日)など著書多数。

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