ドン・キホーテの既存店の売上高は横ばいを計画。10月の消費増税を前に、得意とする低価格戦略を徹底させたことから、客数の増加につながるとみている。19年6月期は10店を「MEGAドン・キホーテ UNY」などに転換し、転換済みの店舗数が16となった。20年6月期は新業態への転換を約30店と転換のペースを速める。その後も同程度のペースで転換を進め、22年末までに100店舗を共同運営の業態にする方針だ。これまでに転換した店舗は利幅の大きい住居関連商品の売上比率を高め、客数の増加とあいまって、粗利益が転換前の1.5倍から2倍程度に増えている。
ただ、業態転換した店は、転換前に数カ月間閉める必要がある。その間は売り上げが立たず、人件費などの負担が先行して発生するため、転換初年度はUDリテールの決算をみてもわかるように営業赤字となるが、2年目以降は利益貢献の度合いが大きくなる。24年6月期にユニーとUDリテールの合計の売上高は1兆円、営業利益を20年6月期比200億円増の420億円に伸ばすとしている。
ファミリーマートによるPPIH株買い
ファミリーマート(9月1日付でユニー・ファミリーマートホールディングスから社名変更)は8月16日、21年8月までにPPIHの株式を追加取得し、出資比率を最大15%に引き上げると発表。出資比率を8月26日までに共同保有分も含め5.02%(それまでは4.88%)に高めた。
ユニー・ファミマは2018年に旧ドンキホーテHDを持ち分法適用会社にするため、1株6600円でTOB(株式公開買い付け)を実施し、20.19%の取得を目指したが、株価が買い付け価格を上回る水準で推移したことでTOBは失敗した。その後、市場で買い付けをしてきた。
PPIHは株式を4分割しており、前回のTOB価格6600円は1650円に相当する。PPIHの株価は1600~1800円台で推移しており、TOBを再開して15%以上取得するには、TOB価格を引き上げなければならない。
PPIHが株式を東証2部に上場したのは98年。当時の営業利益は12億円で、今期見通し(660億円)のわずか2%にすぎなかった。今や株式の時価総額は1兆1533億円(9月25日終値)。小売業界では堂々6位。「驚安の殿堂」は押しも押されもせぬ存在となった。ファミマがPPIHを持ち分法適用会社にするには力業(ちからわざ)が必要だ。
(文=編集部)