ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 安さを失ったユニクロ、客離れ深刻に  > 2ページ目
NEW

「安さ」を失ったユニクロ、客離れ深刻に…客数減&売上減止まらず、勝ちモデル崩壊

文=編集部
【この記事のキーワード】, ,

 20年に売上高5兆円の目標を掲げており、その実現の大前提となる米国で200店舗を展開する予定だったが、急ブレーキがかかった。

国内ユニクロ事業の不振

 国内事業の不振は、かなり深刻だ。15年6~8月期の国内ユニクロ事業の営業利益はわずか35億円。既存店売上高は前年同期比4.5%減と失速した。6、7月は約3年ぶりに2カ月連続で前年同月の実績を下回った。

 ユニクロは天候不順を不振の理由に挙げたが、競合他社はこの間も堅調に推移していた。圧倒的な勝ち組だったユニクロが独り負けの状況となった主な理由はほかにあった。それが、値上げの影響である。

 円安による原価高をカバーするため、14年の秋冬商品を平均5%値上げした。値上げ後、来客数は前年割れになる月が増えた。値上げによる客単価増で来客の減少を補い、既存店売り上げはプラスを維持するという計画だったが、顧客はこれに拒否反応を示した。ユニクロの最大の武器は低価格だったが、その魅力が薄れたためだ。

 15年の秋冬商品も平均10%値上げした。値上げは2年連続になった。16年8月期は既存店売上高4%増を計画しているが、ハードルは高い。冬物商品の勝負どころである11月の既存店売り上げは8.9%減と大幅なマイナスになった。客数は12.9%減と2ケタ減少した。

 12月はさらに落ち込んだ。客数は14.6%減、既存店売上高は11.9%減とマイナス幅は一段と拡大した。ファストリは、暖冬の影響で機能性肌着ヒートテックなど冬物衣料がふるわなかったことを理由にあげているが、構造的な不振とみられている。12月の既存店来客数は7カ月連続で前年割れとなり、マイナス幅は11、12月と2カ月連続で2ケタに達した。値上げで客離れが進んだことを数字が如実に示している。

「客数の減少を微減にとどめ、客単価の上昇で既存店売り上げをプラスにするという、増収・増益のビジネスモデルが破綻したということだ」(アパレル業界筋)

業績にも変調

 今月7日、ファストリは15年9~11月期の決算を発表した。国内ユニクロ事業の不振が一段と鮮明になった。

 売上収益(売上高に相当)は8%増の5203億円。海外での店舗数増加が数字を押し上げたが、営業利益は17%減の759億円、純利益は30%減の480億円にとどまった。9~11月期としては5年振りの減益となった。

 国内ユニクロ事業は冬物衣料の不振に加え、値上げによる客離れで事業利益が444億円と前年同期から14%減少した。海外も変調をきたした。好調を維持してきた中国本土や周辺の香港などでも計画を下回り、減益となった。

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

「安さ」を失ったユニクロ、客離れ深刻に…客数減&売上減止まらず、勝ちモデル崩壊のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!