国土交通省は3月31日、2019年末時点で販売されている乗用車の「自動車燃費一覧」を公表、普通・小型車でトヨタのプリウスが燃費と燃費基準達成・向上達成レベルで2冠を達成した。
国土交通省では、自動車ユーザーの省エネルギーへの関心を高め、燃費性能の優れた自動車の開発・普及を促進するため、毎年、「自動車燃費一覧」を公表している。燃費は1リットルの燃料で何キロメートル走行できるかをいくつかの自動車の走行パターンから測定する燃費測定方法であるJC08モードで比較され、ベスト10のすべての車種がガソリンハイブリッド車で占められた。
1位は燃費値39.0kmでトヨタのプリウス、2位に同38.0km/Lでトヨタのアクア、3位に同37.2kmで日産のノートとホンダのフィットという順になった。トヨタは上位10車種のうち7車種を占めた。
また、「地球温暖化対策のため、将来的にクリアしなければいけない車の平均燃費の基準値」となる燃費基準の達成レベルでは、トヨタのプリウスが205%で1位に、ホンダのアコードが191%で2位に、ホンダのオデッセイが188%で3位になった。トヨタのプリウスは燃費と燃費基準達成レベルで1位となった。
ガソリンハイブリッド車を除く燃費では、1位に燃費値28.0km/Lでダイハツブーンとトヨタのパッソ、3位に同27.2km/Lで三菱のミラージュの順となった。同じく、ガソリンハイブリッド車を除く燃費基準の達成レベルでは、1位に134%でメルセデス・ベンツのE220dステーションワゴン、2位に132%で同じくメルセデス・ベンツのE220d、3位に130%でメルセデス・ベンツのV220dの順となり、上位3位をメルセデス・ベンツが独占した。なお、ガソリンハイブリッド車を除く燃費基準の達成レベルでは、ベスト10すべてがディーゼル車だった。
一方、軽自動車では1位は燃費値37.0km/Lでスズキのアルトとマツダのキャロル、3位は同35.6km/Lでスズキのアルトラパンでガソリン車だった。燃費基準の達成レベルでは、150%でスズキのアルトとマツダのキャロルが1位、144%でスズキのアルトラパンが3位となった。スズキのアルトは軽自動車で燃費値と燃費基準の達成レベルの2冠となった。
なお、燃費測定方法は2020年末から国内基準のJC08モードから国連で決められたWLTCモードでの測定による比較に変更される。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)