中古車情報メディア「カーセンサー」(リクルートマーケティングパートナーズ)が「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2018」を昨年12月に発表した。約7500モデルの中から1位に選ばれたのは、2年連続となるマツダ「RX-8」だ。
なぜ中古車市場でRX-8が高い人気を得ているのか。また、19年の中古車市場のトレンドは何か。リクルート自動車総研所長兼カーセンサー編集長の西村泰宏氏に話を聞いた。
RX-8が圧倒的人気の理由
――イヤー・カーは2年連続でRX-8になりました。
西村泰宏氏(以下、西村) RX-8は通算で3度目の受賞です。「やはり人気のクルマだな」と思うと同時に、トップ10を見るとけっこう入れ替わりがあります。この1年でガソリン価格が上昇したため、消費者としては「購入価格を抑えたい」という思いがあり、それがランキングに反映したのではないでしょうか。全般的に、燃費のいいクルマを選ぶというよりも購入金額を抑制する傾向が進んだように思います。
現在、スポーツ系のクルマがアメリカなどに流出することもあって、状態のいいクルマの購入金額は軒並み上がっています。03年に販売開始のRX-8は12年に販売停止して6年がたちましたが、まだ比較的在庫が流通しています。10代・20代のランキングでは共に1位を獲得していますが、平均価格75.3万円でスポーツ系のクルマのなかでは手頃な価格帯であることも人気の理由でしょう。今後は、コンディションがよく走行距離が短いRX-8の価格は上がっていくと思います。
西村 人も荷物もスポーティなクルマのなかではたくさん乗せることができ、コンディションやコストパフォーマンスが非常に良いクルマです。また、後部座席がすごくゆったりとしており、4人乗車時も圧倒的に座り心地がいい点も支持されています。長距離移動も苦ではなく、実に利便性の高いクルマなのです。
同じようなモデルは現在の最新車種を見てもほかに例がなく、独自の立ち位置を確立したクルマといえます。
――昨年73位だったマツダ「CX-5」が2位に食い込みました。
西村 CX-5は16年に販売開始したばかりなので17年はまだ中古車市場での流通量が少なかったのですが、予想よりも早く躍進しました。トップ10を見ると目立ちませんが、SUV(スポーツ用多目的車)の人気は高いです。そのなかでもCX-5が支持された要因は、サイズが標準的で使いやすく、ディーゼルエンジンの燃費のよさもあるでしょう。こちらは、RX-8よりやや上の世代に支持されています。
――中古車市場でもSUV人気は相変わらず高いということですね。
西村 現在のクルマのいいとこ取りをしたのがSUVといえます。ユーティリティ性が高く、人も荷物も十分に乗せることができ、効率的に移動できるのがSUVです。おそらく、このタイプは人気や需要が下がることはありません。今後、クルマは基本的にSUV化していくでしょう。たとえば、洋服でもオンオフ問わず着られるものに人気が集まっており、ユーティリティというのはライフスタイルにおけるひとつのキーワードになっています。