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ハウス食品、カレーすぎる怒涛の買収…ココイチ出店増→ルウ拡販→隠し味にギャバン!

文=編集部
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ハウス食品、カレーすぎる怒涛の買収…ココイチ出店増→ルウ拡販→隠し味にギャバン!の画像1「Thinkstock」より

 ハウス食品グループ本社の買収攻勢に拍車がかかる。

 昨年12月に、カレー専門店「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋を買収したばかりだが、今度は、味の素の子会社で香辛料大手のギャバンをTOB(株式公開買い付け)で完全子会社にする。ギャバンは、ラーメン店でよく見かける缶入りコショウ「GABAN」などのメーカーだ。

 TOBは5月13日から6月23日まで、1株710円で買い付けた。ギャバンの株価は600円だが、ハウス食品はプレミアムを上乗せした価格で買い取り、最終的に議決権の98.61%を取得した。取得額は約65億円で、6月30日付で子会社化した。

 ギャバンの親会社で株式55.04%を保有していた味の素は、TOBに応募すると表明。ギャバンはTOB終了に伴い、東証ジャスダックから上場廃止になる。

 ギャバンの2016年3月期の連結売上高は前年同期比12%増の95億円、営業利益は9900万円(その前の期は7500万円の赤字)にとどまる。ハウス食品はギャバンの株式の15.84%を保有しており、ギャバン・ブランドで家庭用香辛料を販売している。今後は香辛料の新製品の共同開発を進める。

 ハウス食品の買収攻勢は、同社の財務内容にどのような影響を及ぼすのだろうか。

壱番屋買収に伴うのれん代361億円が重荷

 ハウス食品の16年3月期の連結決算の売上高は前期比4.5%増の2418億円、営業利益は24%増の107億円、純利益は3.2倍の226億円だった。

 レトルトカレーの国内販売が競争激化で減収になったが、利幅が大きいカレールウの値上げ効果で営業段階では増益となった。純利益が3.2倍と急増したのは、TOB以前から保有していた壱番屋の株式の評価益が発生したからだ。

 15年12月に壱番屋に関してTOBが成立。壱番屋の15年12月~16年2月の売上高と営業利益が上乗せされた。一方、買収に伴うのれん代361億円を5年間で償却する方針で、16年3月期は18億円の償却負担が発生した。償却負担を上回る壱番屋株式の評価益が出たため、純利益は大幅に増えた。

 壱番屋の業績が年間を通して寄与するのは17年3月期からとなる。外食事業の売上高は前期比2.9倍の540億円を見込む。全社売上高は22%増の2958億円と予想しているが、増収分の4分の3は外食部門で、そのほとんどを壱番屋が叩き出す。

 しかし、外食事業の営業利益はマイナス1億円の見込み。壱番屋ののれん代の償却負担が重荷となるためだ。この結果、全体の営業利益は5%減の102億円と減益になる。壱番屋株式の評価益が消えることから、最終利益は77%減の53億円へと大幅に減少する。

BusinessJournal編集部

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