若干古いが非常に気になる驚くべきデータがあるので、まずはそれを紹介したい。日本の救急救命に関するデータだ。
2015年12月22日に消防庁が発表した「救急・救助の現況」によると、同年4月現在、全国には750の消防本部がある。少子化・過疎化の影響を受け、09年の803からは50強の減少となっている。全国1719市町村のうち救急業務を実施しているのは1689市町村。こちらも減少傾向をたどっていたが、近年は歯止めが掛かった格好だ。
救急隊は全国で5069隊が配備されている。消防本部、救急業務を行っている自治体が減少しているのに対して、高齢化の進展による救急業務の必要性の高まりを受け、救急隊は増加を続けている。そして、救急隊員は全国で6万1010人、うち女性は1127人で1.8%の割合となっている。救急隊員も増加が続いている。
救急隊は現場で命を救う役割を担っているが、その“花形”は救急救命士だろう。全国にその資格者は3万2813人(女性は1329人)いるが、このうち実際に救急隊員の職に就いているのは2万4223人(女性は665人)となっている。
<都道府県別救急隊数>
・多い順(単位:隊)
北海道(310)
東京都(246)
大阪府(229)
・少ない順(同)
鳥取県(31)
香川県(40)
佐賀県(42)
<都道府県別救急隊員数>
・多い順(単位:人)
北海道(4459)
愛知県(3539)
大阪府(2751)
・少ない順(同)
香川県(411)
福井県(425)
宮崎県(440)
<都道府県別救急救命士数>
・多い(単位:人)
北海道(2137)
東京都(1623)
大阪府(1510)
・少ない(同)
香川県(166)
福井県(180)
鳥取県(183)
救急隊がもっとも多い北海道ともっとも少ない鳥取県では、ちょうど10倍の差。北海道は面積が広いため、多くの救急隊・隊員が必要となる一方、人口が少ない地域では、救急隊・隊員の数は少ない。