無料でマンガが読めるマンガアプリ。出版社が運営しているものや、出版社の垣根を越えて多ジャンルの作品が読めるものなど、アプリの種類は多岐にわたる。どうせ読むなら面白い作品をおトクに読みたい、という人のために、今回は「週刊少年サンデー」などを発行する小学館のマンガアプリ「サンデーうぇぶり」と「マンガワン」を紹介する。
システムは他アプリとほぼ変わらない仕様
数々の名作マンガを生み出してきた小学館が運営するマンガアプリ「サンデーうぇぶり」と「マンガワン」。「サンデーうぇぶり」は「週刊少年サンデー」「ゲッサン」「月刊サンデーGX」の3誌合同のマンガアプリで、各誌の連載作品や新人作家の連載、過去作品の再掲載などを行っている。一方の「マンガワン」は、無料コミック配信サイト「裏サンデー」から発展したアプリで、フレッシュな新人の連載作品などを読むことができる。
「サンデーうぇぶり」で、マンガを読むにはチケット、ポイント、コインの3つの方法がある。チケットは23時間に1枚回復するもので、作品ごとに1日1枚消費できる(チケット1枚で読めるのは、各1話分)
ポイントは、アプリ内のイベントや雑誌の定期購読、CM視聴などの条件を達成することでもらえるもの。コインは課金でもらえるアイテムで、1巻購入する場合や雑誌を購読する際に必要になる。
「マンガワン」でも、1話無料で読むのには「ライフ」が必要となる。このライフは、毎日9時~21時の間と、21時~9時の間にマンガワンを起動すれば回復するが、一度に所持できるライフは4つまで。ライフ回復前にはすべて使用するのがオススメだ。
ライフのほかには「SPライフ」というアイテムがあり、こちらは最新話を読むときに必要になる。またノーマルライフがなくなった場合もSPライフで代替でき、CM動画を見るなどすると追加で取得が可能だ。
チケットは、「サンデーうぇぶり」のコインと同様に課金でもらえるアイテム。ライフやSPライフがなくなった場合は、チケットを利用することで読むことができるようになる。
いずれにしろ、他のマンガアプリとシステム自体はほぼ変わらないので、これからアプリをダウンロードする人でも違和感なく利用できるはずである。
ちなみに、「サンデーうぇぶり」はダウンロードキャンペーンを行うことがあり、過去には新規ユーザーに3000ポイントが付与されたこともあった。この3000ポイントは話数にして100話、約12巻分もあり、運良くゲットできればすぐにタダで全巻読破も夢ではない。
往年の名作が並ぶ「サンデーうぇぶり」と、ニッチ作が多い「マンガワン」
「サンデーうぇぶり」が他アプリと一線を画すのは、名作揃いのラインナップだ。「週刊少年サンデー」の誌面上ではもちろん、アニメ映画も大人気を誇る『名探偵コナン』は単行本では98巻、1話ごとなら95巻まで閲覧可能。
公開予定である劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』のキーパーソンである赤井秀一に関する重要エピソード「緋色シリーズ」なども一気に読むことができるので、コナンファンならダウンロード必須である。
サンデーの看板作家である高橋留美子の『犬夜叉』『らんま1/2』なども無料で読める。代表作『うる星やつら』は、単行本単位でアプリから購入が可能だ。
ほかにもサンデーの誌面を飾ってきた『タッチ』『H2』のあだち充作品、松江名俊の『史上最強の弟子 ケンイチ』、満田拓也のロングヒット野球マンガ『MAJOR』など、往年の名作が目白押し。
また、過去作品だけではなく、メディア化された『信長協奏曲』(石井あゆみ)、『ブラック・ラグーン』(広江礼威)、『からかい上手の高木さん』(山本崇一朗)、『最上の命医』(原作:入江謙三、作画:橋口たかし)などの話題作も読み放題である。
一方「マンガワン」のほうはというと、本家サンデーほどの有名作品はないが、今後爆発的人気を誇るだろう実力作品が豊富だ。
たとえば、アニメ化もされ、細かい筋トレ解説に定評がある『ダンベル何キロ持てる?』(原作:サンドロビッチ・ヤバ子、作画:MAAM)、グレーゾーンの高額報酬バイトを描くホラー作『裏バイト:逃亡禁止』(田口翔太郎)、マイナースポーツ「カバディ」を描く『灼熱カバディ』(武蔵野創)など、一話読んだだけで引き込まれる作品が多いのである。
過去作重視なら「サンデーうぇぶり」、ラノベ好きなら「マンガワン」
このように、いずれのアプリも作品のクオリティはさすが小学館の各誌の連載作品というだけあって、ハズレなしという印象だ。
強いていうならば、「サンデーうぇぶり」は過去のサンデー人気作を読みたい人におすすめ。特に、高橋留美子やあだち充などのサンデーが築き上げたラブコメ作品とともに青春を過ごした人には、たまらないラインアップが揃う。
新人作家の連載も「サンデーうぇぶり」では盛んに行われているため、次世代を担うマンガ、作家を見つけたいという人にももちろんおすすめだ。
対して「マンガワン」は、前述の実力作もさることながら、全体的に「ラノベ」っぽいファンタジーものや、いわゆる「なろう系」の作品も多い。アプリ内の男性向けランキングにおいても、上位には『勇者が死んだ!〜村人の俺が掘った落とし穴に勇者が落ちた結果〜』(スバルイチ)、『最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます』(原作:あまうい白一、漫画:幸路)などの、最近の若者が好みそうな作品が並ぶ。
しかし「マンガワン」には、オールドファンにはたまらないお宝もある。なんと、あの「マンガの神様」手塚治虫の作品が非常に多く用意されているのだ。『ブラック・ジャック』『火の鳥』など有名作はもちろん、『七色いんこ』『アポロの歌』など、隠れた名作もずらりとラインナップ。
ほかにも小学館のビッグコミックスから『闇金ウシジマくん』(真鍋昌平)など骨太作も追加されている。ラノベふうの若者向けから手塚治虫までシームレスに読めるというのは、小学館運営ならではの幅広さ。真の「マンガ好き」なら一度は試してみたくなるはずだ。