元LINE社長・森川亮が挑む新メディア「C Channel」の革新性はどこに? 異端の経営哲学「ビジョンは不要」とは?
松田 ストレッチで成長とは、どういうことですか?
森川 やっぱり人っていうのは、単純に勉強するとか、経験するというだけではなくて、非常に高いハードルを越えたときに、限界を超えて成長すると思うんですよね。なので、いかにそういうところに自分の身を置けるか、これが重要なのかなと思ってます。もともとは私、日本テレビという大企業に入って、どちらかというと当時はぬくぬくとやっていたんですが、やっぱりそれだと成長しなくて、新しいこととか、新しいサービスとか事業とかにチャレンジするなかで初めてのことにぶつかりますよね。もちろんそれで諦めたらしょうがないんですけど、それを乗り越えたときにいろいろな成長を自分で感じて、そこからあえてそういう道を選ぶようになってますね。
白石 でも、日本テレビで、先ほどぬくぬくした生活を送られてたっておっしゃってましたけども、具体的にどういったお仕事に就かれてたんですか?
森川 最初はコンピューターシステム関係の仕事をしてまして、最初は報道のデジタル化のお仕事をさせていただいて、僕がやった一番大きなものは、最初は、出口調査の仕組みは僕が開発したんですよ、日本で初めて。それで選挙速報が楽しく早くできるようになったということをやりましたね。
松田 なるほど。
森川 そのあとは自分の部署をつくってもらって新しい事業をいくつかチャレンジしまして、ある程度テレビ局でやるビジネスというのはやり切ったところがあって、そのときソニーが非常に新しい世界にチャレンジしていたので、それに挑戦しようということで転職しました。
白石 なかなかそういった日本の大企業を辞めるっていうのは勇気がいることだと思ってしまうんですけども、そういった不安とかはなかったんですか?
森川 そうですね。もちろん最初は不安はありましたけど、自分なりにいろんな挑戦をして、それで自分で確信を持ちまして、そこからある程度、そこから離れても自分でなんとかやっていけるなという自信を持つようになりましたね。サラリーマンの場合は単純に給料イコール価値ですから、その価値が適正でなければ自分は成長しないですもんね。
松田 そうですね。
白石 私なんか単純ですから給料が多いほうがいいんじゃないかなと思ってしまうんですけども、それに見合う価値というものが大切っていうことですね。
森川 そうですね。理想は価値よりも給料は低いほうがいいですね。そうすると「もっともっと成長しょう」という危機感を持つじゃないですか。
松田 なるほど。
森川 価値よりも給料が高いと「ちょっと、そーっとやっておこうかな」みたいな感じになっちゃいますからね。
松田 なるほど。「とりあえずこのペースで行けばいいや」っていう感じですよね。
森川 はい。いかに自分が満足しない環境を自ら作り出すかが重要かなと思いますね。
白石 そうなんですね。
森川 でも、松田さんも本当に苦しい道ばかり、あえて選んでいるような。
松田 いやいや(笑)。そうですね。どちらかというと自分を崖っぷちに追い込んだほうが、やっぱり成長できるなっていうふうに思うんですよね。たぶんそこが非常に森川さんの考えと私も共通する部分かなと思うんですよね。
森川 そうですね。それをやり切ることが大事ですよね。
松田 そうなんですね。あえてその身を置いてみると、自分をですね。