家で簡単につくれる「究極のハイボール」…お金も時間もかけた探求の末にたどりついた答え
このコラムを担当してくれている広報担当のK氏から、「山田さんは、いつも食べ物の話ですけど、たまには飲み物について書いてみたらどうですかね」と、アイデアをもらった。そこで、お酒の話を書くことにした。私が飲み物について書くなら、お茶やコーヒーではなく、やはりアルコールだと思う。今回は寝酒代わりに読んでください。
食いしん坊の私は、料理に合わせてお酒も嗜む。実際は「嗜む」なんて上品なものではない。そもそも、私は旨いものに目がない。目の前に美味しい料理があると、何かに追われるように食べ急いでしまう。緊張した投手が投げ急ぎ、優勝に王手のかかったゴルファーがパットを打ち急ぐように、山田は食べ急ぐのである。
そんな私は食事の際には、ワイン、焼酎、日本酒と料理に合わせてお酒を選ぶ。がぶがぶ飲むことはない。最初から最後までビールで、なんてこともない。食べ急ぎを抑えて、食事に緩急をつけるためにも、お酒は欠かせない。そして、和洋中どんな食事でも中盤から後半にかけてたどり着くのが、決まってウイスキーである。
なかでも、スコッチのシングルモルトが好きだ。銘柄としてはサントリーやニッカなど日本のメーカーも贔屓にしているが、一番のお気に入りは「タリスカー」のソーダ割りだ。高級なお酒ではない。「タリスカー10年」(700ml)は、市場価格では3,000円台で買える。インターネット通販サイトの楽天では3,000円を切って販売されている。スコッチのなかでは、比較的求めやすい銘柄ではないだろうか。
お気に入りのグラスに氷を入れて、サントリーの山崎の天然水でつくったソーダ水を注ぐ。ステアの後、小型のペッパーミルを使って黒胡椒を少し加える。この胡椒がアクセントとなり、「タリスカーのスパイシーハイボール」の出来上がりである。
どんな料理にも合う
この飲み方を私に教えてくださったのは、島地勝彦さん。島地さんといえば、「週刊プレイボーイ」(集英社)の編集長として「週プレ」を100万部雑誌に育て、その後は月刊誌の編集長を歴任された名物編集マンだ。2008年に集英社を辞められてからは、男の生きざまについてのエッセイ、コラムを綴る作家として活躍されている。