スーパーマーケットのお米売り場は、初めて買い物に訪れた人でも、一番良い状態のお米を購入できるようにつくり上げられているべきです。
たとえば、普段スーパーに買い物に行かない子どもに、銘柄と産地だけを伝えてお米を買ってくるようにお使いを頼んだとします。その子どもが、精米から1カ月以上過ぎたお米を買って帰って来た時に、「なんでよく日付を見ないで買って来るの!」などと大きな声を出して怒るのはお門違いです。悪いのは、買い物をした子どもではなく店側です。
牛乳などは、陳列棚の奥のほうから消費期限の長いものを探し出して購入する人をみかけますが、お米の場合、精米日の新しい物が下の方にあると、大人でも取り出すのは簡単ではありません。精米日の新しい商品が一番上に置かれているべきです。
お米は10kg入りや5kg入りで売られている場合が多いですが、もっと少量で販売すれば、消費者はおいしいご飯を食べることができると思います。
スーパーのお米売り場で、米粒が落ちているのを見かけた時は要注意です。周囲を見渡し、米のそばに黒い小さな塊があれば、鼠の糞の可能性が高いです。そして、米が陳列されている什器が黒ずんでいれば、鼠が生息していると考えて間違いありません。鼠が動き回るときに、什器に触れて黒ずんでしまうのです。
米粒が落ちていても、単純に袋が破けただけという場合もありますが、鼠が袋を破って米を食べている場合が多くあります。鼠が棲みついている売り場は、衛生的に最悪です。
そのような売り場を見かけたら、すぐに店員に伝え、陳列されている米をすべて下げて掃除を徹底するように依頼しましょう。
ビールも鮮度を確認してから購入すべき
お米と同じように、缶ビールを箱で買うときにも注意が必要です。ビールも、製造日から時間がたってしまうと風味が悪くなってしまいます。そのため店側は、ビールを箱買いするお客が一番手に取りやすい場所に、日付の新しい物を置いておくべきです。
また、ビールは温度変化に弱い商品です。特売などの際、店頭の直射日光が当たる所にビールを置いている店では購入すべきでありません。
さらに、日本酒も注意のいる商品のひとつです。日本酒は賞味期限などの表示はなく、製造年月日が記載されています。製造年月日から半年すぎると、日本酒は風味が薄くなってきます。そのため、製造日(瓶詰め日)から半年が経過したものは値引きをして売り切ることが必要です。一方、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は、瓶詰めから日数が経過しても味の変化は少ないため、製造日を気にする必要はありません。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)