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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

学校給食が劣悪すぎる!「牛乳、白米、鶏そぼろ、のり」だけ…十分な栄養を得られず

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

学校給食が劣悪すぎる!「牛乳、白米、鶏そぼろ、のり」だけ…十分な栄養を得られずの画像1

 COVID(コビット)-19の一件は、決して侮ってはいけないと思ってはいますが、それにしても感染者数、死亡者数から考えると、ちょっと大騒動になりすぎた感があると、筆者は考えています。

 どこで終息を宣言するのかわかりませんが、あとから振り返ってみれば「から騒ぎ」だったというように収まってくれたらありがたいと思います。

 今回の騒動の中で、東京都がなぜか入院患者数を水増ししていた疑惑が出てきたり、自粛期間中に賭けマージャンに興じていた検事長が辞職をしたり、ひっそりと重要法案が話し合われていたりと、本丸だったはずの感染症のことより大きいのではないかと思われる事案が次々と起こり、国民にとって本当に大事なことが何だったのか、わからなくなってしまったようにも感じます。

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 学校も再開され、これまでの遅れを取り戻そうと教育者も生徒たちも、ずっと正念場が続くことになり、来年受験を迎える人たちはかなりハードな日々を送ることになりそうですね。これを不運とするのか、逆転の発想で幸運と考えるのかは、個人の問題ではありますが、多くの人たちにとって数年後に、「あのことがあってよかったのかも」と思えるようであってほしいと切に願います。「そもそも休業なんかしなくてもよかったんじゃない」と言えるようになってほしいですね。

驚愕すべき内容の学校給食

 そんななかで筆者が嘆かわしく思っているのは、子供たちの給食のことです。こんな事情なのですから、完璧になどと言うつもりはないのですが、筆者が知る限りでは、あまりにも度を越した劣悪な給食が出ているようなので、ひと言、釘を刺しておきたいと思います。

 市内の小学校で提供された、ある日の給食のメニューが「牛乳、白米(ビニール袋入り)、鶏そぼろ(レトルト)、のり(パック入り)」以上だったというのです。いかにこの状況下とはいえ、あまりにもひどいのではないでしょうか。誰が、どのような事情で、これほど劣悪な給食を提供しているのかわかりませんが、教育現場を預かる者として、最低限をはるかに下回っているこの給食の内容は、恥じ入るべきと考えます。

 筆者は5年以上にわたって、現在居住している岐阜県大垣市の、ある幼稚園・保育園からご依頼を頂き、園児たちの給食メニューの開発に取り組んでいます。子供たちが喜んで食べてくれるようにと、何度も打ち合わせをし、工夫を凝らし、試作を重ねて子供たちの給食メニューとして登場させています。

 うれしいことに、筆者の考案したメニューが出ている日は、子供たちが残さず食べてくれるということで、園長先生からも、給食担当の管理栄養士さんからも、保護者の方々からもたいへん高く評価して頂いています。

 もちろん、筆者が考案するメニューが毎日出ているわけではありませんが、そのエッセンスは給食の現場で働いてくださっている職員の皆さまにも伝わっており、豪華ではありませんが、きちんと栄養素が摂取できる内容になっています。仕入れ先も、筆者が紹介させていただき、可能な限りオーガニック素材を使っています。ご縁があって、その園には昨年から筆者の孫も通っています。

免疫力を高めるためには食事を充実させるべき

 さて、話を戻しますが、上記のような4品の給食メニューを食べた子供たちは果たして、十分な栄養素を摂れているのでしょうか。栄養学的知識や情報がなくても、あのメニューがあまりにもひどいもので、到底十分な栄養素など摂れるはずがない、ということはわかるのではないでしょうか。

 いかなる事情があったとしても、あれを一食として子供たちに食べさせたということは、責められてしかるべきと筆者は思います。成長期にある子供たちにとっては、一食一食が大切なのです。食べたものによって体がつくられていくわけですから、一食たりとも疎かにはできないのです。

 あの内容では、子供たちの健康を守ることはできません。免疫力など高まるはずもない。この先、いつ、どんな形で第二波、第三波が襲ってくるかわかりません。その時に備える、ということは、免疫力を最高の状態にまでもっていくことです。だから、一度の食事さえも、手を抜いてはいけません。

 また、COVID-19以外のウイルス、あるいは細菌による感染症の恐れもないわけではありません。そのウイルスや細菌は、COVID-19よりはるかに強力かもしれないのです。子供たちに限ったことではなく、大人たちだって、そのような新たに出現するウイルスや細菌に打ち勝つためには、免疫力を高める以外の方法がない、ということを肝に銘じておくべきでしょう。

 治療薬やワクチンの開発に期待するのもいいですが、それはいつになることか、誰にもわかりませんし、もし開発されたとしても完璧なものなどつくれはしません。

 この機会に、子供たちが食べる給食について大人たちがもっと関心を持ち、積極的に提言することも含めて深く関わっていくべきだと思います。それ以前の問題として、家庭の食事を充実させることも、学んでおくべきでしょう。食事は学校給食に任せておけばいい、というわけにはいかないのです。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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