「ちゃんとごはん。」をスローガンに掲げ、お手頃かつヘルシー志向な定食メニューを提供し、老若男女幅広く支持を集める「大戸屋」を展開している、大戸屋ホールディングス(HD)。
そんな大戸屋HDだが、創業者の三森久実氏が2015年7月に亡くなったことをきっかけに、三森氏に支払う功労金や長男の三森智仁氏の人事をめぐり、創業家と経営陣が衝突した。この“お家騒動”に進展が見られるかと注目されるなか、第34回定時総会が6月28日、ハイアットリージェンシー東京にて開かれた。
午前10時、定刻どおりに代表取締役社長・窪田健一氏が「株主のみなさま、おはようございます」と挨拶し、そのまま議長に就任する。
窪田氏の発表によると、同社の株主数は2万4774名で、議決権の総数は7万1962個。そのうち7854名、2万8380個の議決権が行使されたという(書面やインターネットでの行使を含む)。
まずは前方のスクリーンにプレゼン資料が映し出され、女性のナレーション音声による事業報告の時間となった。13分ほど経過したところで窪田氏が再び口を開き、「ナレーションではなく、私のほうから直接、株主様にお話をしたいと思います」と、“中期経営計画”についての説明を始めた。
同社は2020年の37期を見据え、連結売上高を296億円、経常利益を13億7000万円にまで伸ばす計画を立てており、これらを達成するための重要なポイントとして「マーケティングの強化」「店舗改装や生産性の向上による既存店の活性化」「海外事業のてこ入れ」の3点を挙げた。
そして窪田氏は「創業者である三森前会長が亡くなって、間もなく2年がたとうとしております」と切り出し、続けて三森氏のビジョンを踏襲する考えを示唆した。
「(三森氏は)会長になられてからは海外を中心に奔走されていたこともあり、国内店舗では、前会長と直接面識のないスタッフやFCオーナー様も増えつつあるのが現状です。これは時の流れで当然のことではありますが、だからこそ“ちゃんとおいしい定食”を提供し、『お客様の心も体も健康になっていただきたい』という創業理念を共有していくことが大切だと考えています」