昨年にサークルKサンクスの運営母体である旧ユニーグループ・ホールディングスとの経営統合を果たし、ローソンを抜いて業界2位に躍り出たファミリーマート。同社に、未来へ向けた取り組みを象徴する店舗を聞いた。
(1)ファミリーマート+ミヤモトドラッグ御成門店(東京都港区)
ファミマが宮本薬局(東京都板橋区)と協力して生まれた「一体型店舗」であり、コンビニとドラッグストアが合体したのだから、その利便性は極めて高い。同社の総合企画部広報室は言う。
「コンビニが日本に誕生して約40年が経ちましたが、コンビニの新規サービスのニーズを調査すると、薬の取扱いを望む声は非常に多く、既存の店舗での登録販売者の雇用・育成などさまざまな試行錯誤を重ねてきました。そのようななかで、地元に密着した、信頼度の高いドラッグストアや調剤薬局と提携をすれば、お客さまの認知度も高まり、より安心してご利用いただけると考えたのです」
ドラッグストアとの「一体型店舗」は2012年、薬ヒグチとの提携による「ファミリーマート+薬ヒグチ淡路町店」(同千代田区)が1号店。同様のドラッグストア・調剤薬局との一体型店舗は現在、全国に約50店舗展開しており、顧客の支持が窺える。
「ファミリーマート+ミヤモトドラッグ御成門店には登録販売者が交代で勤務しており、一般用医薬品500種類以上を、朝7:00から夜10時まで販売しています。一般的なドラッグストアで人気の衛生用品、化粧品の品揃えも強化していますし、さらにイートインスペースも22席用意しましたので、店でくつろいでいただくことも可能です。東京タワーが見えるという立地条件にも恵まれており、コンビニの進化を感じていただける店になっているかと思います」(同)
ファミマの方向性は1点目として、「他業種との連携強化」にあるようだ。同社の表現を借りれば、「新たな店舗フォーマットの展開を通じて、お客さまの日常生活を支援する、社会・生活インフラ企業としての小売業態『ライフソリューションストア』の実現を目指す」ということになる。
(2)ファミリーマート+西村書店加西店(兵庫県加西市)
ファミマはこれまで、スーパーマーケットやJAなど他業種と連携した店舗を展開してきたが、なかでも話題となっているのが「書店との一体型店舗」だ。