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互いに「あいさつ」しないヤマダとニトリの会長…業界王同士が「領域侵食」で予測不能

文=編集部
互いに「あいさつ」しないヤマダとニトリの会長…業界王同士が「領域侵食」で予測不能の画像1ヤマダ電機本社(「Wikipedia」より)

 ヤマダ電機は6月30日、群馬県前橋市に新業態店の第1号店「インテリアリフォームYAMADA前橋店」をオープンした。

 2月まで営業していたアウトレット専門店「ヤマダ・再楽館 前橋店」をリニューアルした。住環境提案店舗とし、リフォームだけでなく、家具やインテリア雑貨をトータルで提案する。カフェやキッズスペースを併設し、ファミリー層が気軽に来店できるようにした。

 店舗から200メートル圏内に大型家電店「テックランドNew前橋本店」とヤマダ・ウッドハウスのモデルハウスがあり、相互に連携することで住まいに関するすべての要望に応える「新体験空間」の形成を目指す。「テックランドNew前橋本店」と相互送客することで、2店舗合計の売上高を従来の1.5倍まで伸ばす計画だ。

 新業態店の特徴は2つ。ひとつはリフォームに特化したこと。これまでも店舗の一角でリフォームコーナーを展開してきたが、リフォームを前面に打ち出した店舗は初めてだ。2017年3月に大阪・豊中市にオープンした「LABI LIFE SELECT 千里」が注文住宅のヤマダ・エスバイエルホームのショールームを設け、生活提案型の売り場を構築したことが、リフォームに力を入れる先がけとなった。

「インテリアリフォームYAMADA前橋店」は3階がリフォームコーナーだ。6月には不動産事業を担当する子会社、ヤマダ不動産を設立。店舗内に不動産コーナーを設け、グループで不動産仲介にも対応していく。

 新業態店のもうひとつの目玉は2階のインテリアと雑貨のコーナーだ。ベッドやソファ、キッチン用品などを販売する。ニトリホールディングス(HD)の売り場を意識した店舗構成になっている、との指摘もある。つまり、ヤマダはニトリHDの牙城である家具雑貨の分野に切り込むことになる。

反転攻勢に出る

 ヤマダ電機の業績の頂点は11年3月期で、売上高は2兆1532億円、純利益は707億円だった。その後、業績は急落。創業者の山田昇会長が13年に社長に復帰すると、15年に不採算の60店を閉め、「量から質」へと転換した。16年4月、再建のメドがついたことから山田氏は会長兼取締役会議長に就き、後任の社長に非同族の桑野光正氏を起用した。後継者と目されていた子息の山田傑氏は「その任にない」として、その年の株主総会で取締役を退任した。

 17年3月期の売上高は1兆5630億円と前期に比べて3.1%減ったが、純利益は345億円と14%増えた。家電・情報家電の売り上げは1兆3399億7000万円で前期比3.8%減ったが、非家電は2230億7000万円で1.2%増えた。業績が底を打ったことから、反転攻勢に出た。

 業績が低迷している子会社のベスト電器を、株式交換方式により7月1日付で完全子会社とした。それに伴い、ベスト電器は6月28日付で上場廃止。

 家電部門の強化策として船井電機と提携。6月2日、船井電機が製造する「FUNAI」ブランドの液晶テレビを発売した。両社は16年に10年間の独占供給の業務提携を結んでおり、FUNAIブランドはヤマダ電機の店舗のみが扱う。18年には次世代型テレビの有機ELテレビの新製品を投入する計画で、FUNAIだけで20年に台数ベースの国内市場でシェア2割を目指す。

 20年の東京五輪を前に、より鮮やかな色彩を表現できる有機ELテレビの人気が高まるのは間違いない。有機EL商戦でトップシェアを確保し、船井電機の黒字転換に寄与するというシナリオだ。

 提携の一方の立役者だった船井電機創業者の船井哲良・取締役相談役が7月4日、肺炎のため死去した。90歳だった。

BusinessJournal編集部

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