9月14日、東京商工リサーチは『2016年度「上場製造業1,270社の平均年間給与」調査』【※1】を発表した。
それによると、16年度の上場製造業1270社の平均年間給与は605万9000円(中央値599万9000円)で、前年度から3万9000円(0.6%)増加した。上場企業2718社の平均年間給与598万円(中央値585万8000円)と比較しても7万9000円上回っており、好調な企業業績を反映したかたちだ。製造業の平均年間給与は13年度から4年連続の増加で、増加率は0.6%だった。
業種別では、トップが石油・石炭製品の733万9000円(中央値741万7000円)で、11年度以来5年ぶりに上昇した。次いで、医薬品の729万7000円(同728万7000円)、電気機器の634万3000円(同622万9000円)、精密機器の624万9000円(同626万7000円)、化学の624万8000円(同633万4000円)となっている。最低は、繊維製品の536万1000円(同540万5000円)で、トップとの差は197万8000円だ。
一方、増加率では繊維製品が前年度比2.9%増で最大だった。ゴム製品の同1.6%増、鉄鋼の同1.47%増、ガラス・土石製品の同1.42%増、食料品の同1.3%増が続く。電気機器のみが前年度比0.7%減と、唯一前年度を下回っている。
また、上場製造業1270社のうちで平均年間給与が前年度より増えたのは764社(構成比60.1%、前年度823社)で、減少は496社(同39.0%、同440社)、横ばい10社(同0.7%、同7社)だった。
増加率1位は繊維製品のルック(579万7000円)で前年度比48.14%増、減少率1位は電気機器のエスケーエレクトロニクス(634万2000円)で前年度比26.54%減となっている。
個別企業では、工作機械用NC装置で世界最大手のファナックが1318万3000円で3年連続のトップに。2位は第一三共の1133万5000円、3位はアステラス製薬の1073万円、4位はエーザイの1038万9000円、5位は電気機器のレーザーテックで1028万2000円と、医薬品が上位を占めている。上位10社の内訳は医薬品5社、電気機器4社、食料品1社だ。平均年間給与が1000万円以上の企業は7社で、前年度の6社より1社増えている。
今回の調査では、ワーストランキングも公表されている。ワースト1位は北日本紡績の296万9000円、2位はシベールの306万8000円、3位はサマンサタバサジャパンリミテッドの313万1000円だ。
また、持株会社のランキングでは、トップがバンダイナムコホールディングスの1354万2000円、2位がそーせいグループの1151万5000円、3位が三菱ケミカルホールディングスの1145万8000円となっている。