東京都心の8月の日照時間は83.7時間で、8月として観測史上最短となった。都心では1日から21日間連続で降水が観測された。降雨があった日は計27日を数えた。
記録的な長雨の影響で、コインランドリーは大盛況。コインランドリー業界で唯一、東証マザーズに上場しているWASHハウスの株価は堅調だ。チェーン展開するコインランドリー事業が、長雨で利用者が増えるとの期待からだ。9月21日の終値は前日比85円(3.40%)高の2586円だ。
新規株式公開した2015年11月22日の初値は3240円で、公募価格2300円を40.9%上回った。今年3月31日付で株式を2分割し、これで初値は1620円に修正された。これが上場来安値となる。上場来高値は、株式分割した3月31日の6200円だ。
WASHハウスの創業者で社長の児玉康孝氏は1965年、宮崎市生まれ。国士館大学法学部法律学科を卒業し、新日本証券(現みずほ証券)に入社。その後、日本マクドナルドなどの勤務を経て、30歳で宮崎に帰郷。地元の大興不動産に務めた。
2001年に独立し、不動産メンテナンス会社のケーディーエーを設立。その半年後にコインランドリー2店を始めた。コインランドリーが順調だったことから、05年に社名をWASHハウスに変更してフランチャイズ(FC)展開を始めた。
同社のホームページによると、工事費を除く出店費用2100万円(17年6月時点)のほかに、加盟金50万円や保証金100万円が必要。工事費を含めると4000万円が目安になるようだ。
ビジネスモデルはFC店舗の清掃、集金、クレーム対応などを一括して受託することにある。ウェブカメラによる徹底したオペレーションの効率化がポイントだ。無人だが24時間・365日管理しており、機械の故障が発生した場合でも遠隔操作によってトラブルを解消する。乾燥機のフィルターの清掃や洗濯機の消毒などは、本部から派遣される清掃スタッフが毎日行う。売り上げや在庫、労務管理などもシステム化している。
FC店は、店舗運営を全面的に本部に委託する代わりに、店舗管理料やシステム料、広告分担金、清掃費などのランニングコストを月額12万6000~13万7000円負担する。月100万円の売り上げがある標準店の場合、水道・光熱費などの経費を支払っても、FC店のオーナーは月53万円の収益になるという。
東証マザーズ上場を機に、それまで九州がほとんどだったFCの全国展開に乗り出したが、壁にぶち当たった。