これは、私に言わせればまことに白々しい言い草である。事件は、いわゆるモンゴル力士会なる親睦会の酒席で起きた。平素はこの会に距離を置いていた貴ノ岩に対して、他のモンゴル力士たちは含むところがあり、白鵬がお説教を垂れ出したとも報じられている。もし仮にこれが事実であれば、お互いに独立競技者としてあるべき者を抱き込もうとしたことにほかならない。
そして、その説教中に鳴ったスマートフォンに貴ノ岩が反応したことに激怒した日馬富士が、ひどい暴行を加えてしまったという。白鵬は止めに入ったともされるが、この事件構図において、白鵬は立場的にその酒席のトップだったということは、重要な点だ。
白鵬は今場所14日目の関脇・嘉風との一戦で敗退するや、審判員に抗議をするなど横綱らしからぬ醜態をさらした。大相撲の歴史上、こんなみっともないことをした横綱はいたのだろうか。
大相撲には過去、実力はあるが大相撲の伝統、歴史、品格を理解していない横綱も散見された。稀勢の里が横綱に昇格したとき、あれほどまでに熱狂されたのは、多くの人が現在の大相撲に対して感じているところがあったのではないか。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)
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