暴行事件を受け、大相撲の横綱・日馬富士が年内にも傷害の容疑で書類送検されると21日、報じられた。
「日本相撲協会は早ければ年内に日馬富士の引退を発表する。また、被害者である貴ノ岩も力士を廃業するしかないとみられている」(相撲界関係者)
日馬富士に暴行され、「階段から落ちた」と貴乃花親方に噓をついていた貴ノ岩の体調が、九州場所前に急変した謎を解くカギは、休場発表後に提出された診断書にある。「診断書に書かれている傷は、日馬富士に暴行された際のものなのか」(ある親方)という声も聞こえる。
貴ノ岩側が相撲協会と鳥取県警に提出した2つの診断書の内容が異なることが明らかとなり、さらに疑問が深まっている。「貴ノ岩が記者会見に出てきて、すべてを喋しゃべれば、数々の疑問は氷解するが、育ての親でもある貴乃花親方はそれを許さないだろう」(同)。夕刊紙に『貴ノ岩監禁』などという見出しが躍っている。貴乃花親方は「弟子が暴行されたのは自分が暴行されたと同じだ」と周囲に語っている。
事件翌日の10月26日に日馬富士は貴ノ岩とお互いに謝ったことで、すべて終わったと思っていた節がある。相撲協会も、貴ノ岩が福岡県田川市の二場公人市長を貴乃花親方と一緒に表敬訪問し、「2桁(勝利)目指してがんばります」と語っていたことから、よもや休場するとは思っていなかった。ましてや、あのような診断書が出てきて、相撲協会の八角信芳理事長とその周辺は貴乃花親方への不信感を強めている。
巡業中のスキャンダルである。巡業部長である貴乃花親方は、事実を知った段階で相撲協会に報告しなければならないのに、報告していない。しかも、10月29日に貴乃花親方自身が貴ノ岩ともども鳥取県警に赴き、被害届を出している。
一方、日馬富士の暴行の事実を把握していなかった伊勢ケ浜親方は、来年1月の相撲協会理事選挙に出られないだろう、と指摘されている。貴乃花も理事だが、来年1月にグループ内からもう1人理事候補を擁立するといわれている。
「来年の理事長選は八角理事長vs.貴乃花理事の対決になると予想されているが、貴乃花理事も無傷ではすまないかもしれない。たとえ立候補できても、貴乃花理事に勝ち目はないということで衆目一致している」(相撲界関係者)
貴乃花親方が評論家として契約している「スポーツニッポン」が14日に事件をスクープしたが、貴乃花親方は相撲協会に事実をきちんと報告せずに、協会のヒアリングに対し曖昧に答えていた。しかもその間に被害届を出していた。多くの親方衆は「順番が逆」と怒っており、貴乃花親方は孤立を深めている。