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ビットコインなんてやってはいけない…投機の道具、犯罪の温床に

文=編集部

ビットコインの先物取引開始、投機色一段と強まる

 ビットコインの先物が米取引所で相次ぎ上場する。

 米シカゴ・オプション取引所(CBOE)が仮想通貨ビットコインの先物を12月10日に上場したほか、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)や米ナスダックも近くビットコインの先物の上場を予定している。CBOEのビットコイン先物は、米中部時間10日の午後5時(日本時間11日午前8時)に上場された。

 CBOEは2度、一時取引を停止するサーキットブレーカーを発動させた。米仮想通貨取引所ジェミニ・トラスト・カンパニーが実施するオークションで決まるビットコイン価格(ドル建て)に基づき現金決済される。世界最大のデリバティブ(金融派生商品)取引所であるCME取引所は、ビットコイン先物を12月18日に上場すると発表。CBOEはCMEより先に取引を開始して顧客を囲い込むのが狙いだ。

 米国時間の7日昼、1ビットコインのドル建て価格が一時、1万6600万ドル台に乗せた。10日のビットコイン先物の上場を控え、資金流入を期待した買いが膨らんだ。8日はジェットコースターのようだった。前場中に1万7000ドルに到達したかと思えば、夜にかけて急落。1万4000ドルを割り込む場面もあった。

 デリバティブ業務を手掛ける国際的な業界団体、先物取引業協会(FIA)は12月6日付で「裏付けとなる商品の透明性と規制が欠如している」と批判する書簡を米国商品先物取引委員会(CFTC)に送付した。書簡は「ビットコイン先物の決済や精算をめぐる議論が不十分だ」として懸念を示した。

 CBOEは、当初発表した証拠金の割合(33%)を44%にまで引き上げるなど、対応が二転三転している。

 CFTCはビットコイン先物の上場申請を受理した際、ビットコインをめぐる規制の欠如などの問題点を指摘していた。さらに12月7日までに、金融機関へ先物取引に慎重になるよう注意を喚起した。

 これまではビットコインは現物を買うだけの取引だったが、先物ができれば空売りがしやすくなるため、価格の乱高下に拍車がかかるとみられる。

 1日で時価総額が日本円換算で5兆円も動く。もし、このまま上昇を続ければ、銀行で最大の時価総額を誇るJPモルガン・チェース(41兆円)を超えかねないという指摘もある。1日に2割も上下するビットコインが“通貨”といい難いのは事実だ。

取引の4割は日本人の投機家(ギャンブラー)

 今年10~11月の取引で、世界のビットコイン取引の4割を日本(円建て取引)が占めた。米ドルを上回り、世界最大のシェアになったようだ。

 2016年は中国元が世界の9割を占めていたが、中国当局が今年9月に取引所を強制的に閉鎖させたためシェアは急低下し、10~11月にはほぼゼロとなった。

 国税庁はビットコイン投機によるあぶく銭(利益)に目を光らせている。ビットコインの利益は「雑所得」なので、最高税率は45%だ。「2兆円を超える税収増になる」との試算もあるようだ。

 ビットコインバブルの先にあるのはバラ色の桃源郷なのか。はたまた地獄の一丁目なのか。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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