1位はマツダの「RX-8(初代)」、続いてトヨタ自動車の「アルファード(現行型)」と「ヴェルファイア(現行型2代目)」――。
中古車情報メディア「カーセンサー」(リクルートマーケティングパートナーズ)が毎年実施している「カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー」の「2017-2018」の結果が発表された。
この1年で掲載された約6000モデルのクルマから選出され、1位は中古車マーケットでユーザーの注目度がもっとも高いクルマといえる。今回、「RX-8」が「2015-2016」以来の1位に返り咲いた一方で、昨年1位だったトヨタの「ハリアー(3代目)」は6位に順位を落とした。
今人気の中古車と、その理由は何か。18年にかけてのトレンドは。「カーセンサー」編集長の西村泰宏氏に聞いた。
マツダのRX-8、実は燃費が悪い?
――この1年で、中古車人気のトレンドはどのように変化しましたか。
西村泰宏氏(以下、西村) 「2016-2017」の1位は、「SUV」(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)のなかでも価格がお手頃なトヨタのハリアーでした。SUVの人気は相変わらず続いていますが、ほかのSUVが出回るようになったので票が割れて、ハリアーは1位から6位に落ちました。
ただ、ハリアー以外にもトップ10のなかにはSUV車がランクインしており、SUV人気は継続しています。これが、ひとつの大きな傾向だと思います。
――マツダのRX-8がトップに返り咲いたことを、どう見ますか。
西村 RX-8は、以前から根強い人気があります。価格が下がり100万円以内で購入できるようになったことで、今回は10代から20代の問い合わせが多かったです。すでに生産を終了していますが、一定の中古車流通があり、個人的には、あと1~2年は上位にランクインすると予想しています。
――RX-8の燃費についてはいかがでしょうか。
西村 何と比較するかによって変わってきますが、軽自動車と比較するとあまりよくありません。ただ、スポーツタイプのクルマを購入する方がそこを気にするか、という事情もあります。車両の購入金額が抑えられることもあり、燃費の悪さがネックになるようなクルマではありません。
――2~3位にトヨタのアルファードとヴェルファイアがランクインしました。
西村 この2台は15年1月に登場した現行モデルです。ちょうど丸3年がたとうとしています。新車購入後、初回の車検は3 年後です。車検のタイミングで乗り替える人が増える傾向があるため、中古車市場では流通台数が増加して選びやすくなります。
また、流通量が増えることで価格は下がるため、注目度が高まります。特に新車時の価格が高いモデルについては、中古車で購入するメリットが出てくる時期といえます。昨年1位になったハリアーは、その代表例といえるでしょう。年間を通じて安定して400~500台の在庫があると、上位のランキングを狙えるようになり、問い合わせも増えてきます。
ちなみに、この2台はトヨタが高級を売りにしているミニバンです。基本的には“兄弟車”であり、見た目は少し違うものの性能などはほぼ同じです。