――昨年1位のハリアーは6位まで落ちました。
西村 それでも、ハリアーは引き続き人気です。中古車市場は約6000モデルが流通しています。1位から6位に下がると、すごく人気が落ちたような印象を受けますが、全体のなかで見ればかなり上位にいるという認識が正しいです。
女性が軽自動車やコンパクトカーを選ぶ理由
――今後、中古車で売れるトレンドは。
西村 エリアなども関係するため、一概には言えません。30~40代の方のトレンドは、年式の新しいミニバンとSUVです。たとえば、去年のハリアー、今年のアルファードとヴェルファイアが該当します。
過去2~3年の年式であれば、これらの車種の購買意欲は引き続き高いと思います。「新車では買えないけれど、中古で憧れのクルマを買ってみよう」という考えで購入される方が多いです。
もうひとつは、ライバルが少なく安定した人気のRX-8のように、根強く支持されるクルマ。この2つのトレンドが拮抗しています。
――世代や家族形態による違いなどはありますか。
西村 世代別にランキング上位のモデルを見てみると、20 代は低予算で買えるコンパクトカーやクーペなどのスポーティーなクルマが人気です。30~40 代になると家族形態の変化で乗車人数や荷物が増えるため、ミニバンやSUV、ステーションワゴンが主流になってきます。
そして、50 代以上になると、それぞれのライフスタイルに合わせてクルマの選び方が一気に多様化してきます。子育てが一段落してコンパクトカーにダウンサイズする層は、日産自動車の「リーフ」やボルボの「V40」などに注目しています。
王道のセダンを選ぶ層には、BMW の「3 シリーズ」や「5 シリーズ」、レクサスの「HS」などが人気です。ほかにも、SUV では三菱自動車の「アウトランダーPHEV」やポルシェの「911」、軽自動車ではオープンカーのダイハツ工業「コペン」やクロカンの三菱「パジェロミニ」が上位に入ります。購入後の用途をイメージしながら、さまざまなクルマが選ばれているようです。
また、女性には軽自動車が人気です。価格が安いことに加え、「大きなクルマだと運転が怖い」「狭いスペースへの駐車が苦手」という事情があるようです。うちの編集部員もそうですが、コンパクトカーや軽を選択する女性は多いです。
――中古車人気には地域性もありますが、変化はありますか。
西村 北日本では四駆のSUBARU(スバル)が人気で、このトレンドは変わりません。北海道では「レガシィB4(2 代目)」、東北では「レガシィツーリングワゴン(4 代目)」が、それぞれトップでした。
(構成=長井雄一朗/ライター)