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中小企業の事業承継を「M&A」でサポートする株式会社FUNDBOOKの挑戦(3)

引退する中小企業経営者が知っておきたい「廃業のデメリット」と「M&Aのメリット」

構成=編集部

 日本の国債発行額は約1100兆円で中国とほぼ同等です。デフレ脱却もできているかといえばはぐらかされている状態で、私は今のマーケットが維持されていくとは考えていません。日本のマーケットは金融緩和や日銀の買い占めによってつくられたものなので、実体的な構造改革や日本の企業を育てるための施策を取らないと、状況打開にはつながらないと思っています。

 M&Aを検討するなら、今の安定したマーケットのなかで選択肢を持っておくことが最善だと思っています。金融緩和が終わった瞬間に日本のマーケットのゆくえはわからなくなるので、その意味では黒田総裁の任期終了でどうなるかは注目しておきたいところですね。

――経済動向や社会的潮流がタイミングを左右するM&Aには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

畑野 たとえば、個人で経営されている調剤薬局がひとつの例です。調剤薬局は社会保障基盤とリンクしているので、国の施策とそれに伴う経済動向に左右されます。

 今、薬価改定によって薬の価格が年々下がってきています。しかし、消費増税の問題があるので仕入れは上がっています。その理由は、少子化によって社会基盤が崩壊しつつあり、高齢化によって社会保障の負担が大きくなっている現状では、国は年金保険料を上げるか社会保障の原価を下げるかの2択しかないからです。

 そんな背景があって薬価は下がっているのですが、数十店舗を展開している大手企業は、規模の経済が効いているので個人経営に比べて仕入れを下げられます。そこで、個人経営の調剤薬局が大手企業とのM&Aを検討するケースが増えているんです。大手企業と手を組めば仕入れを下げることができる、というわけです。

 調剤薬局のM&Aには特徴があります。買い手側が「従業員の方々はもちろん、社長もそのまま残ってくださってかまいません」「看板もそのまま残してください」といった自由な方針でM&Aが進んでいるんです。

 個人経営の調剤薬局は地域に密着していて、近隣住民の方々からの信頼もあります。そのため、経営者も従業員も看板もそのままのほうが良いケースも存在します。売り手であるオーナーはキャッシュ化できて、社長続投も引退も自分で決められる。従業員の雇用も守られる。買い手はシェアを拡大できる。利用者も馴染みのお店が残ることで安心して利用できる。かかわる人すべてにとって理想的な状況ではないでしょうか。

 国や実需のトレンドがどんどん下がっていくなかでは、経営者というのは下りのエスカレーターを必死で上ろうとしているような状況です。そこで、時流に従ってある程度身を任せるというのも悪い選択ではないと考えます。だから、廃業する前にほかに最善の方法がないか考えることをあきらめないでほしいですね。
(構成=編集部)

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